こんにちは。QuizKnock編集部です。
旬のワードをその日のうちに、さらっと解説します。
韓国の憲法裁判所は、パク・クネ(朴槿恵)大統領と長年の知人らをめぐる一連の事件や疑惑で、パク大統領の弾劾は妥当だとする決定を言い渡し、パク大統領は直ちに罷免されて失職し、60日以内に大統領選挙が実施されることになりました。
今日はこのニュースのキーワード、「弾劾」という言葉について簡単にまとめます。
まずは、今回の韓国大統領の件に関するクイズを1問どうぞ。
大統領の罷免は韓国史上初の出来事で、それだけ大きな事件だったことを物語っています。
ただし、罷免されたのは朴槿恵(パク・クネ)大統領が初めてでも、「弾劾」された韓国大統領は他にもいます。
それは盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領で、2004年に「弾劾」訴追されましたが罷免にはなりませんでした。
さてこの「弾劾」、そもそもの意味はどのようなものでしょうか。
まずは辞書で見てみましょう。
1 犯罪や不正をはっきりさせて、責任をとるように求めること。「政府の失政を―する」
2 法令によって身分保障のある公務員の非行に対し、国会の訴追によって罷免または処罰する手続き。日本では裁判官・人事官について弾劾制度があり、その手続きを、裁判官の場合は裁判官弾劾裁判所、人事官の場合は最高裁判所が行う。
分かりやすく引用の2を今回の事件に当てはめると、こうなります。
【大統領に不祥事(公務員の非行)があったので、韓国の国会が憲法裁判所に訴えて(国会の訴追)、罷免の手続きを行った】
このような一連の流れを「弾劾」といいます。
ちなみに日本では、内閣総理大臣を始め国会議員が「弾劾」訴追で罷免されることはありません。
これは、弾劾裁判に代わるシステムがあるためです。
たとえば内閣総理大臣の場合は内閣不信任決議がこれに当たり、衆議院本会議で不信任が過半数を超えると、内閣の総辞職か解散総選挙となります。
裁判をすることなく、国会の判断で事実上クビにできる訳です。