コロナ禍でアイドルのライブもオンラインに。敬虔なヲタクの私は家でももちろんペンライトを振って応援する。が、一本だけ点かない。
電池を変えないと……。私は物置に置いておいた電池を取り出した。
この電池「使用推奨期限」を過ぎているぞ……。使っていない電池にどうして期限があるんだ? というか、そもそもこれ使えるの?
今回は、そんな疑問を化学の視点から解説していきます。
どうして電池に使用期限があるの?
では、どうして電池に使用期限があるのでしょう。結論からいえば「電池はつないでいない時にも自然に放電してしまうから」です。その理由を、電池の仕組みとともに説明します。なお、この記事では充電のできない「一次電池」を取り上げています。
電池には正極(+極)と負極(-極)があり、負極では金属が溶け出して電子が出る反応が、正極では電子を受け取る反応が進行します。電池に豆電球をつなぐと光るのは、電子が負極から正極に流れるためです。よく使われるアルカリ電池は、内部でこのような反応が起きています。
電池の中で金属が溶け出す反応はコードで電池をつないでいない時も少しずつ進行します。コードを通って正極へ電子が流れていかないだけで、電池の反応が止まっていることはないのです。結果として、およそ1年で3〜5%程度電池が消耗してしまいます(自己放電)。
このため、使用していない電池も長い時間が経過すると電圧が下がるなど本来の性能が発揮できなくなってしまうのです。
使用期限はあるが、過ぎても使える
このように、使用推奨期限は、期限内に使えば本来想定されている性能(パワー、持続時間)が発揮できる目安で、いわば食べ物の「賞味期限」に相当します。したがって、期限を過ぎている電池も一応は使うことができます。
電池の消耗を防ぐためには、涼しい所に保管することが大切です。これは、温度が高いほど化学反応が速く進行するため。とはいえ、冷蔵庫に入れたりすると結露してサビの原因になってしまうので避けましょう。
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