「青汁って、青くなくね……? 緑汁じゃね……?」
テレビを眺めていると、ふとそんな疑問が浮かんできました。考えてみれば、青菜も緑菜ですし、青信号も緑信号です。ミドリムシに緑を取られてしまったアオムシの気持ちを考えると夜も眠れません。
睡眠時間の確保のためにも、浮かんだ疑問はさっさと解決してしまいましょう。
「緑」は色ではなかった!?
まず考えられるのは、かつては「緑」ということばが存在しなかった説。しかし、この説は簡単に覆されます。
「茎も葉もみな緑なる深芹(ふかぜり)は 洗ふ根のみや白く見ゆらむ」
これは平安時代の和歌集『拾遺和歌集』に収められた歌。平安時代には既に「緑」ということばがあったことが分かります。
では、どうして緑=青なのか……?
実は、「緑」はもともと色を表すことばではなかったのです。本来の意味は「新鮮でつややかな感じ」。草木の新芽や若葉のイメージです。
たしかに今でも、つやつやした黒髪のことを「緑の黒髪」と、赤ん坊のことを「嬰児(みどりご)」と表現することがあります。
そして「青」こそが色を表すことばで、現在の「緑」を含む広い範囲をカバーしていた、ということなのです。
では何故「青」がそれほど広い範囲を表すのかというと、もともと日本には色を表すことばが青・赤・白・黒の4つしかなかったからだと言われています。
この4つは古代中国の思想とも一致していて、方角や季節などと対応しています。たとえば「青」は春と対応していて、これがつまり「青春」という表現の由来なのです。季節や方角と色の対応は、以下のようになってます。
北/冬:黒 東/春:青 西/秋:白 南/夏:赤
初めはじじくさい青汁の話だったのに、いつの間にか「青春」という対極の概念に到着してしまいました。皆さんもふと浮かんだ疑問を調べてみると、意外な発見があるかもしれませんよ!
この記事はQuizKnockライター・カワカミが「ねとらぼアンサー」で書いたものをリライトしたものです。