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こんにちは。鶴崎です。

最近、テレビの進化をアピールするワードとして「4K」「8K」などという言葉をよく耳にしますよね。家電屋さんに行けば、「4K対応テレビ」がすでに大々的に販売されています。

でもみなさんは、これの意味を知っていますか?

なんとなく画質が良くなる」くらいに思っている方が多いのではないでしょうか。

確かに画質が良くなるのは正しいのですが、より詳しい情報を知って、今日から周りに自慢しちゃいましょう!

目次

現在の放送について軽く復習&「画素」について

まずは現状での放送や動画の画質について確認しておきます。

数年前から完全移行した「地上デジタル放送」。これは1440×1080画素で放送されています。

画素とはなんぞや?という疑問ですが、それを知るには次の画像を見てください。

16×16顔

私が描いたドット絵です。テレビの画面においてはランプを使って画像を出していますが、その基本的な原理はドット絵とあまり変わりません。

テレビではものすごく小さいドットを並べることで、緻密な画像を作り出しています。この最小単位となるドットが「画素」というわけです。画像の素です。

上のドット絵の左と上にあるグラデーションを数えていただければわかりますが、このドット絵なら画素数は16×16ということになりますね。

 

本題に戻って、地デジは1440×1080画素でした。横に1440個、縦に1080個の画素を並べて、地デジは放送されています。

テレビ全体では1555200個のドットが並んでいるわけです。すでに気の遠くなるような数字ですね……。

さらに、「フルハイビジョン」という言葉もあります。ブルーレイディスクで映画を見たりすると概ねこの画質になるわけですが、これは1920×1080画素です。地デジより横に少し長いですね。

ブルーレイディスク。 ブルーレイディスク。

画面の縦横比(アスペクト比)

横に長くなったら、同じテレビで見られないじゃん! と思われた方は鋭い。地デジ放送は横4:縦3の比率なのに、フルハイビジョンでは横16:縦9の比率になっています。

しかし、心配はいりません。地デジではもともと1920×1080で用意された画像を横向きに圧縮しています(わざわざ圧縮するのはデータ量を少なくするため)。

そして、テレビ側で受信した画面を16:9に引き延ばしているのです。なので、フルハイビジョン対応・16:9のテレビを用意していれば、画面の無駄なく放送を楽しむことができるわけです。ただし、地デジはデータ量が少ない分フルハイビジョンより画質はやや落ちます。

「4K」って?

さてさて、本命の「4K」ですが、これはなんとフルハイビジョンに対し縦横それぞれ2倍の画素数、3840×2160画素を誇ります!

「4K」というのは、横の画素数が約4000(Kとはキロ、1000のこと。キロメートルが1000メートルなのと同じです)であることから来ています。

「4Kテレビ」として売られているテレビは、フルハイビジョンのテレビよりも縦横それぞれ2倍の画素をギュッと詰めて作られているわけです。総画素数は実に2×2=4倍なので、格段に画質が良くなります。

16×16 16×16
32×32花 32×32

この二つは、画素数を縦横2倍ずつにしてそれぞれ同じように描いた花の絵。

絵の下手さは変わりませんが(笑)、格段にきめ細やかな絵が描けます。

画質が良くなるということは、大きなテレビを買ったり、近づいて観たり(目には良くないですが)しても、粗さが目立たないということ。自宅に大きなテレビを置き、圧倒的な大画面に酔いしれるのもいいかもしれません。

 

4Kテレビのすごさがみなさんに伝わりましたか?

しかし、注意しないといけません。4Kテレビを買って、いざテレビを高画質で見よう! と思っても、全ての放送が4Kで観られるわけではありません。

先ほどお話しした通り、地デジは1440×1080、フルハイビジョンは1920×1080であることは変わらないので、4Kテレビで見ても、画質は変わりません(機種によっては、独自技術で補完して4K的な画質にすることもできるようですが)。

なので放送局側で4Kに対応しているものを観なければありがたみは薄いわけですね。

すでにYouTubeやNETFLIXといったネット動画サービススカパーの一部チャンネルなどで4K放送が始まっています。今後もBS、CSなどで4K放送が増えていく見込みです(ただし、さらにチューナーを買い足さないといけない場合もあるので注意です)。

さらに未来の技術、「8K」

ではでは、「8K」とは? もうおわかりですね。

8Kは4Kのさらに縦横2倍7620×4320の画素数。合計32918400の画素が詰め込まれているとは! 最新の技術は恐ろしいですね……。

8KはNHKが主導的に開発を進めており、こちらも2018年に実用的な放送が開始予定。

現在はNHKによる体験イベントが何度も行われています。先日1/20~22では、大相撲初場所の8K体験が入場自由で行われていたようです。

NHKが進める「8Kスーパーハイビジョン」では、8Kの画像と22.2chサラウンドの音響を軸としています。

22.2chサラウンドとは、上層に9個、中層に10個、下層に3個、さらに低音用2個と合計24個ものスピーカーを使い、臨場感を出す音響だそうです。凄すぎてもはややりすぎの感までありますね(笑)

 

総務省は2020年東京オリンピックを4K・8Kで放送できることを目指して、推進活動をしています。3年後のオリンピック観戦がますます楽しみになりますね!

それでは今回の復習です。

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この記事を書いた人

鶴崎 修功

つるさき・ひさのり です。東京大学数理科学研究科の博士課程を卒業しました。クイズを通して私と読者のみなさんが一緒に知に触れていけるような活動をしたいと思っています。

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