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1ページ目:クイズを解きたい方はこちらから! 以下は問題の答えと解説です

解説

正解はトマトでした。

▲赤く熟したトマト

ヒント1:中国の定番家庭料理の材料

トマトの祖先は現在のペルーあたりに自生していた植物で、メキシコに伝わって栽培化されたものが今日の世界で食べられているトマトの起源です。1523年のスペインのメキシコ征服後にヨーロッパに伝わり、その後17世紀には中国にも伝わっていたようです。ちなみに、メキシコの隣国であるアメリカには、アジアよりも遅い18世紀末にヨーロッパから伝わったとされています。

現在では、中国が2位のインドに大きな差をつける世界一のトマト生産国です(2023年のデータ)。卵とトマトの炒め物「西紅柿炒鶏蛋シーホンシーチャオジーダン」は中国の定番家庭料理であり、中国の食文化にトマトが深く根付いていることがうかがえます。

▲西紅柿炒鶏蛋 via Wikimedia Commons 三島堂 CC BY-SA 4.0(画像をトリミングしています)

実は、トマトを使った調味料「ケチャップ」も、一説には中国が由来とされています。中国には古くから、魚を発酵させて作った「ケ・ツィアプ」という調味料があります。これがヨーロッパに伝わると、魚介類やキノコ、果物など様々な材料で作られるようになりました(マッシュルームで作った「ケチャップ」は現在でも使われているようです)。その後、アメリカに渡ったヨーロッパ人の手によって、トマトで作る「ケチャップ」が生まれたとされています。

ヒント2:イタリア語では「黄金のリンゴ」

ヨーロッパの言語では「リンゴ」になぞらえたトマトの呼び名が多くあります。イタリア語では「ポモドーロ」(「黄金のリンゴ」という意味)、フランス語では「ポム・ダムール」(「愛のリンゴ」という意味)、英語では「ラブ・アップル」など……。これは、かつてのヨーロッパでは価値のある果実をリンゴと呼ぶ習慣があったからとされています。

ピザやパスタなどのイタリア料理に欠かせないイメージのあるトマト。「黄金のリンゴ」と呼ばれるのも納得ですね。

▲「スパゲッティ・ポモドーロ」ならシンプルなトマトソースのスパゲッティのこと

ところで、「ポモドーロ・テクニック」という時間管理術を知っていますか? これは、タイマーを25分に設定して作業を行い、タイマーが鳴ったら、3~5分の休憩をとる(4~5回に1回は、15~30分の長めの休憩をとる)という方法です。この名前は、提唱者がトマト型のキッチンタイマーを愛用していたことに由来しているようです。

ヒント3:日本語では「唐ガキ」「唐なすび」などの別名

日本にトマトが伝わったのは17世紀のことで、当初は観賞のための植物とされていました。江戸幕府のお抱え画家である狩野探幽かのうたんゆうが1668年に『唐なすび』の題でスケッチしていたり、儒学者・貝原益軒かいばらえきけんが著した『大和本草』に「唐ガキ」として紹介されていたりするのが日本での最初期の記録です。

日本でトマトが食べられるようになったのは明治時代のことです。キャベツなどの他の西洋野菜とともに改めて欧米から導入されました。トマトケチャップも明治時代には使われ始め、後にオムライスやナポリタンスパゲッティといった日本独自の洋食文化が生まれていく下地になったのです。


解説を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。みずみずしくて美味しいトマト。暑い日が続きますが、栄養満点のトマトをもりもり食べて頑張りましょう!

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この記事を書いた人

藤島

東京大学理学部大学院修士課程1年で、生物学を専門にしています。好きなことは歴史、生き物。趣味は読書などです。新しい分野を知る第一歩になれるような記事を書けるように頑張ります。

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