コジマです。
これから夏本番、滝のように汗をかく季節がやってくる。
汗をかくと臭う。汗臭さがつきまとう季節であっても、他人と会うときはタオルで拭いて、場合によっては制汗シートでも拭いて、リフレッシュしてから、というのがエチケットである。
ただ、いくら拭いても臭うものは臭う。「汗臭くてすみません!」と断りを入れなければいけないが、そこは発想の転換。「体臭といえば……」と話題の種にしてしまえばいいのだ!
そんなときに使える「体臭トリビア」をご紹介しよう。
汗そのものは臭くない
さんざん臭い臭いと言ってきた汗だが、実は汗そのものにニオイはない。
ではなぜ臭うのかというと、皮膚に存在する細菌が、汗に含まれる成分や皮膚の垢・皮脂を分解することにより、ニオイ物質を生み出すからだという。
お風呂で身体を洗ったあとの汗は臭わないのも、細菌のエサになる垢や皮脂が洗い落とされているからだと考えれば納得できる。
また、普段汗をかかない人が汗をかくとニオイがきつくなりやすい。汗にわずかに含まれる成分は、汗が分泌されてから表皮に出るまでの間にろ過される。このろ過機能は普段から汗をかいていないと上手に働かないので、細菌のエサが増え、ニオイが強くなるという訳である。
加齢臭の成分は〇〇の匂いと同じ?
「加齢臭」については、1999年に資生堂が「ノネナール」というニオイ物質を発見したことにより注目されるようになった。以降、ノネナール以外にもいくつかの原因物質の候補が発見されている。
ところでこの「ノネナール」は、身近なある食べ物の香り成分と似た性質をもつとされている。
その食べ物とは「蕎麦(そば)」。完全に確定しているわけではないようだが、ノネナールや、それに構造が似たオクテノールなどが蕎麦の香り成分であるという報告がなされている。
また、古くなったビールからは厚紙のような臭い(カードボード臭)がすると言われるが、この主な原因物質もノネナールである。
古いビールはともかく、(仮説レベルではあるが)おいしい蕎麦の香りが加齢臭と同じ、と言われると意外だ。ただ、例えばスカトールなどの成分は、糞の臭いがするが微量では花のような良い香りがする(香水にも使われる)。香りの世界ではそれほど不思議な事ではないのかもしれない。
女性は甘い香りがする?
これは最近の話題。今年(2018年)3月にロート製薬が、「女性に特有の甘い香り」というものが存在し、加齢によってそのニオイは減少するという調査結果を発表した。
この香り成分は、ピーチのような香りの「ラクトンC10」とココナッツのような香りの「ラクトンC11」であることも特定。今後、これらの成分を含んだ女性向けの化粧品が増えていくかもしれない。
女性からいい香りがするのはシャンプーとか香水とかが原因だろう……と思いがちだが、そもそも女性自体が甘い匂いかも、というのは興味深い。男性はどうなんだろう。
「体臭」に関するトリビアを3種類取り上げた。
体臭が気になるこの時期、「体臭といえば……」と話題を切り出せば互いにニオう空間も和やかになるはず。保証はしないけど……。