どうも、ライターの森田です。
以前、クイズ仲間と共に瀬戸内方面へ旅行に行ったときの話です。旅行の初日、まず訪れたのはオリーブ栽培で有名な小豆島。高松から「しょうどしま丸」というフェリーに乗って向かいました。
フェリーのデッキで潮風を感じていた時、ふとこんな疑問が浮かんできました。
「しょうどしま丸」の「丸」ってなんだ? 船ってそんなに丸くないぞ?
日本の船の名前には、最後に「〜〜丸」とついているものが多いですが、これは一体なぜなのでしょうか。気になってしまったからには徹底調査だ!
結論:諸説あり
船の名前の最後に「〜〜丸」とつく理由には諸説あり、はっきりと「これが正しい!」と断言できるものは今のところありません。今回は、たくさんある説の中から「おそらくこうではないか」と思われている3つを紹介します。
説1:「まろ」が変化して「まる」に
昔の日本では、自分のことを「私」や「僕」ではなく「麿(まろ)」と言っていました。この「麿(まろ)」がいつしか「丸(まる)」に変化して、飼い犬や刀、楽器など身の回りの大切なものに「〜〜丸」という名前をつけるようになりました。
同様に、自分にとって大切な船にも「〜〜丸」と名付けるようになった、という説です。
説2:かつての屋号に由来
かつて日本では、問屋のことを「問丸」というように、家や店の屋号に「丸」をつけるのが一般的でした。
これにならって、家や店だけでなく船の名前にも「〜〜丸」とつけるようになった、という説です。
説3:古代中国の神様に由来
古代中国では、「白童丸」という神様が天から降りてきて、人間に船を作ることを教えたとされています。
この「白童丸」の「丸」を取って、船の名前につけるようになった、という説です。
「〜〜丸」となるべくつけること?
ここまで、船の名前に「〜〜丸」とついているイメージが定着しているのには理由がありました。明治時代に制定された「船舶法取扱手続」の中に「船の名前の末尾には、なるべく『丸』をつけること」という内容の条文があったのです。
この条文は2001年に削除されましたが、古くから使われている名前が残っていたり、伝統として名前を引き継いだりして現在にも「〜〜丸」という船がたくさんあるのです。
現在では、日本船籍最大のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」や、大洗と苫小牧を結ぶ客船「さんふらわあさっぽろ」など、「〜〜丸」とついていない船はたくさんあります。
おわりに
冒頭にも書きましたが、今回私がこの記事を書いたきっかけは、「『しょうどしま丸』の『丸』ってなんだ?」というふとした疑問です。
気になったことを調査するうちに、様々な説があることがわかり、新たな知識を得ることができました。
このように、生活の中で疑問に思ったことはそのまま放置せず、ぜひ答えを調べてみてください。きっと、新たな発見があなたを待っていますよ。
参考文献
- 中村猪之助「船名『丸』の意義」:『海』11巻(1928年)
- 船舶法及関係法令(P.48):国立国会図書館デジタルコレクション
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