こんにちは、福良です。
近年、テレビ離れが進んでいると言われています。最近では、ニュースにドラマの視聴率低下が取り上げられることも多くなりましたね。
「カルテット」8話視聴率は9.5%
松たか子主演の火曜ドラマ「カルテット」(TBS系)の第8話が3月7日に放送され、その平均視聴率が9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。
さて、皆さんが民放のテレビ番組を視聴する時、テレビ局にお金を支払っていません。
テレビ局はどうやってお金を儲けているのかというと、企業からお金をもらって、代わりにその企業のCMを流してあげています。
視聴率が高いほど、CMをたくさんの人に見てもらえたということになります。
そのため、テレビ局が最も大事にするのが、そのチャンネルをどれくらいの人が見ているかの指標となる視聴率なのです。
では、「視聴率」の実態とはどんなものなのでしょうか。どうやって計っているのでしょうか。
視聴率についてまとめてみました。
目次
視聴率の種類
放送されているものをその時間に見ている視聴率をリアルタイム視聴率と言います。現在はリアルタイム視聴率だけでなく、録画によって後から見ている視聴率も調査されており、こちらはタイムシフト視聴率と呼ばれます。なお、放送から一週間(168時間)を越えて再生してもタイムシフト視聴率にはカウントされません。
また、算出の仕方も、「何人が見ているか」の個人視聴率と「何世帯が見ているか」の世帯視聴率の2つがあります。
普通単に「視聴率」と言ったらリアルタイムの世帯視聴率のことを指します。
他にも、占拠率というデータもあります。これはテレビをOFFにしている家は計算から除いた視聴率。簡単に言うと「電源がONになっているテレビのうちの何%がこのチャンネルか」という指標です。
視聴率の調査方法
日本で視聴率の調査を行っているのはビデオリサーチ社のみ。では、その調査はどのように行われているのでしょうか。
そもそも、視聴率調査は日本国民全員に行っている訳ではありません。ランダムに選ばれた家庭のみが調査対象です。そのため、もしもあなたに調査協力の依頼が来ていないのであれば、あなたがいくらチャンネルを変えようが視聴率には反映されません。
また、どんなに「調査してほしいです!」とお願いしても対象にはなれません。ランダムな数字から調査対象は決められています。
調査対象の数は少しずつ増えており、現在は日本全国で6900世帯から協力を得ています。
と言っても、1つの家庭が調査対象になるのは長くても3年と決まっています。関東・関西・名古屋に限っては2年です。そのため、少しずつ調査対象をローテーションさせます。たとえば、関東の900世帯のうち毎月38世帯を新しい世帯と入れ替えたら、24か月で全ての世帯が入れ替わる、という具合です。
なお、誰が調査対象かというのは極秘情報。ビデオリサーチ社側ももちろん公開しませんし、協力者も他言してはいけない誓約があります。口外すると調査対象から外されるという噂を聞きましたが、その辺の真偽も公式発表はされてないようですね。
2003年に視聴率買収事件が発生しました。これは、テレビ局のプロデューサーが調査対象の家庭にお金を渡して「このチャンネルを見てください」という視聴率水増しを行った事件。さて、どうやって調査対象の家庭が分かったのでしょうか。
この事件では探偵にビデオリサーチ社を尾行してもらい、調査対象家庭をつきとめたとのことです。
調査対象のテレビには専用の装置が取り付けられます。友人を家に招いてもばれないようにか、どんな見た目かは非公開のようです。
関東・関西・名古屋のものは「家族のうちの誰が見ているのか」という情報も収集します。これが個人視聴率のデータになります。方法はいたってシンプル。テレビを見るたびに毎回「自分が誰なのか」を入力するシステムになっています。なんと、入力するまでアラームが鳴り続けるとのこと。
そう聞くとなんだか大変な作業な感じがしますが、報酬がどれくらい出るのかも非公開のようです。
視聴率1%は何人分?
「日本人は1億3000万人なので、視聴率1%は130万人」や「視聴率が20%だから5人に1人が見ている」という風に考えがちですが、実はこれは正しくありません。その理由は以下の通り。
- 視聴率は世帯数ベースなので、正確な「人数」は把握できない。
- テレビがない世帯は計算から除外されており、「日本国民全体」の数値ではない。
- 調査世帯が特定の地域に偏っているため、視聴率の値には地域性の影響が出ている。
全員を調査することが出来てないので、限られたデータから得ているのが現在の視聴率。正確な数値に換算しようと計算しても、その値は実際の値とは大きく異なります。視聴率はあくまでも指標の一つとして考えるべきなのです。
まとめ
視聴率というものの実態を見てみると、「視聴率の0.1%の増減は本当に気にするべきなのか?」と少し批判的に見た方がいいのかもしれませんね。
最近ではSNSからテレビ番組の影響力を計る指標も考えられています。ビデオリサーチ社もこちらの研究に取り組んでいますし、ザ・テレビジョンは「視聴熱」と名付けて独自のランキングを発表中(こちら→視聴熱)です。
もちろん、これも正確な数字は分かりません。しかし、日本国民全員から集計を取る方法がない今、何種類もの方法で何種類ものデータを集めて多角的に考察するということが大切ではないでしょうか。