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コジマです。

自動車のシートベルトを勢いよく引き出そうとして、ガッと引っかかってしまった経験はないだろうか。

シートベルトは、衝突事故の際に身体が投げ出されないように、勢いよく引き出されそうになったときには自動的にロックがかかるようになっている。ガッと引っかかるのは、この緊急時のための仕掛けが引っ張りの勢いでも作動してしまうからである。

しかし改めて考えてみると、普段は自在にベルトが出し入れできて、危険なときは固定される。これってスゴくないか? どういう仕組みになっているのだろう。

歯車が入っている……はず

シートベルトを巻き取る装置のことをリトラクターと呼ぶ。危険なときにベルトを固定する仕組みはリトラクターに備わっていて、このようなリトラクターをELR (Emergency Locking Retractor) と呼ぶ。

「で、ELRはどうやって作るの?」と思いザッと調べてみたが、「こうやって作るんです!」とズバリ書いてくれている資料は見つからなかった。

というのもELRは、要するに

・普段は軽い力でベルトを引き出せる
・危険を感知したときにベルトを固定できる

の2つを実現できさえすればどのような仕組みで作ったっていい訳で、各メーカーが独自の技術を採用しているのだろう。また、人命にダイレクトに関わる部品であるから常に改良されてもいるはずだ。

ただ、基本的には

歯車がついた芯でベルトを巻き取る
・ベルトが勢いよく引き出されるとストッパーが歯に挟まり、固定される

という仕組みをベースにしていることは多くのリトラクターに共通すると思われる。

例えばあるシートベルトのリトラクターには鉄球が収まっていて、慣性で鉄球が動くとストッパーが落ち、歯車が固定される(参考)。


今ではコンピューターを搭載した自動車が当たり前になっている。

その一方で、「危ないときだけちゃんと固定されるシートベルト」のような「いつでも正しく動作してほしい仕組み」を支えているのは、歯車のような機械部品の数々であり、それを組み合わせる機械工学の知識だと思う。

参考文献

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この記事を書いた人

コジマ

京都大学大学院情報学研究科卒(2020年3月)※現在、新規の執筆は行っていません/Twitter→@KojimaQK

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