ご機嫌いかがですか、柳野とうふです。最近は朝起きられなくてつらいです。
さて、皆さまロシアに興味はおありでしょうか。 最近のニュースで言うと、明日・12月15日に大統領プーチン氏の来日会談が控えており、北方領土問題などで注目されていますね。日本の重要なお隣さんの一つ、ロシア。
そんなロシアですが、ロシア語の表記には、私達にはちょっと馴染みの薄い文字が使われている、ということはご存知の方も多いと思います。ひょっとしたら「キリル文字」という名前に聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
では、そのロシア語の「文字の読み方」は知っていますか? きっとほとんどの方は知らないのではないかと思います。
今回はその「ロシア語の文字の読み方」をサクッと紹介したいと思います。記事を読み終えたときに「単語とかの意味は分からないけど、なんとなくの読み方は分かる」ようになることを目指しております。
ロシアの文字はこんな感じ
では本題。ロシア語で使われる文字は全部で33種類(「キリル文字」はちょっと広い呼び名なので、この記事では「ロシアの文字」というような表記を使います)あって、具体的には下の表のような感じです。どうぞ。
どうでしょうか。あー見たことある、となるかもしれませんね。まあ丸暗記しようとしても頭に入ってこないと思います。
ぱっと見の印象だと、「大文字と小文字が同じ形のものが多い」「なんかやたら長い名前の字がある」といったところが気になるかもしれませんね。
後でクイズを絡めつつ解説を進めていくので、詳しくはそちらで。
ちなみにロシア語は、文字の基本的な発音と、実際の単語になったときの発音のズレが比較的少ない言語です。英語だとたとえば、「station」という語に2つ「t」が含まれていますが、前の「t」と後ろの「t」では全く読み方が異なるため、それぞれの単語ごとに読み方を覚える必要があります。ロシア語ではそうしたズレが少ないのです。
つまり、この記事で大体の「文字の読み方」を覚えると、大体の「単語の読み方」も分かるようになるのです。すごいぞ。
※ズレが「全く無い」わけではないため、単語ごとに読み方を覚える必要があることは変わりないのですが、英語よりははるかに読みを予測しやすいと言えます。
簡単な用語確認
それではクイズを始める前に、説明に使う基本的な用語の確認をば。知ってる方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
母音と子音
「母音」は日本語だと「あいうえお」、英語のアルファベットだと「a e i o u」が該当する音です。「舌や唇で邪魔したりせずに、声帯のふるえをそのまま出す音」ぐらいの説明が妥当でしょうか。
「子音」は英語でいう「s」や「k」などの音です。「舌や唇で音の通り道を妨げるときに出る音」という感じでしょうか。
ご存知の通り、日本語は子音と母音が一体になって一文字を形成しています。たとえば「さ」は「s」という子音(舌を上歯茎の辺りに当てて息を通す音)と、「a」という母音(「あ」の音)からなっていますね。
有声子音と無声子音
さてこちらは少しなじみが薄い概念でしょうか。
今しがた「子音」について説明しましたが、子音は「有声子音」と「無声子音」に分けることができます。
発音するときに、喉が震える子音は有声子音、震えない子音は無声子音です。実際に喉に手を当ててみるとよく分かると思います。
この概念がロシア語で重要になるのは「有声子音に対応する無声子音がある」場合なので、ざっくりとイメージするときには「濁音の子音」と「清音の子音」という対比(たとえば、「s」と「z」のような)だと思ってもらうといいかもしれません(もちろん厳密には違います、あくまでイメージとして)。
それではここから本格的に読み方に入っていこうと思います。準備はよろしいですか?
以上でロシアの文字の読み方解説はおしまいです。どうです、ロシアはちょっと身近に感じられるようになりましたか?
私は、新しく文字が読めるようになることはとても面白く、楽しいことだと思っています。まったく意味がわからない記号の羅列だった文章が、文字が読めるようになるだけで、少し親近感の湧くものに感じるのです。それは、「一段階見える世界が広がった」とも表現できることなのかもしれません。
今回の記事を通して、そんな感覚を読んでくださったあなたに届けられているとしたら、これ以上の幸せはありません。
また、これを機にロシア語に興味を持ってくださったら、ぜひとも色々と調べてみることをオススメします。「文字が読める」より更に進んで、「文が読める」ところまで行けたのなら、「見える世界」だけではなく「触れられる世界」が広がることでしょう。