※この話はフィクションです。
目が覚めると、僕は真っ白な部屋の中にいた。
▲……ここは?
いつものように記事の執筆をしていたら、何者かに眠らされて……ここまでの記憶は残っている。
眠い目を擦り、頭を起こすと、1枚の紙が落ちていた。
僕にクイズを出してほしい「誰か」が、この部屋に僕を連れてきたのだろうか……?
ともかく、なんとかしてこの部屋から脱出しなければ。紙に書かれた指示に従えば、この部屋で「なにか」が起こるかもしれない。
僕はこれまでにも、クイズ研究会に所属していることを話した時に、「なんかクイズ出してよ」と言われたことがある。
そもそも伊沢さんのことを「伊沢」と呼ぶなと、僕の心の中のQuizKnockオタクが騒ぐのだが、何より「クイズ出してよ」という言葉は僕にとって刃になりうる言葉である(個人の感想です)。クイズ研究会に所属しているからには避けては通れないこのビッグイベントを、これまでに2つの方法でやり過ごしてきた。
手元にある問題集を使って回避をする
僕はこういう時のために、リュックの中に過去の「abc」の問題集を入れている。
abc:学生を対象とした日本最大級の競技クイズ大会。今年(2023年)3月に開催された「abc the21st」では、東問が優勝した。
【東問の思い出のクイズはこちら】
abcで出題されるクイズは、クイズプレイヤーでなくても答えがわかるものが多いから、最低限の面白さを保証できる。しかし、あいにく今はリュックを持ち合わせていないので、この方法は使えない。
目の前にあるものからクイズを出す
中学生の頃の松井少年は、テレビやYouTubeで身の回りにあるものをテーマにした雑学をすぐに披露できる伊沢さんに憧れを抱いていた。
▲QuizKnockメインチャンネルの動画でも行われた即興雑学
そう考えて、即興で雑学を披露する訓練を重ねてきた。この訓練は「なんかクイズ出してよ」という無茶ぶりにも効果抜群である。しかし、今僕がいるのは何もない真っ白な部屋の中。この手を使うのは少々難しいか。
常套手段をことごとく潰されてしまった。でも逆境に置かれてこそ、「素晴らしいクイズを出してやろう」と思う。楽しくなってきた……!
改めて状況を整理しよう。ここは真っ白な部屋。目の前には1枚の紙。手元に問題集もないから、周りにあるものからクイズを出すしかない。しかし、周りには何もない。いや、ここは真っ白な部屋……。真っ白な部屋といえば……。