QuizKnockで働きはじめて3年半が経ちました。未だに「クイズ未経験者です」と言っている山森です。
「クイズ経験者」の基準がわかりませんが、いわゆる大会にも、テレビのクイズ番組にも出たことがないので、きっと未経験者です。
しかし、そんな私にも「思い出のクイズ」が存在します。このクイズと、それに答えた彼女の存在が、今の仕事につながっている――そう言っても過言ではないでしょう。
2017年6月19日月曜日、クイズ番組『Qさま!!』を観ていたときのこと。
その日のテーマは「20世紀の貴重映像」。20人が2ブロックに分かれて予選を行い、各ブロックから5人ずつが決勝へ上がれるルールで、いわゆる螺旋階段と呼ばれる形式だった。
予選Bブロック。「乃木坂46の頭脳派」として出演していたのが秋元真夏さんだ。
真夏さんは、序盤に誤答し一度10位に落ちるも、自らの正解や他者の誤答で7位へと上がっていた。
そんな状況で出題された、映像問題。顔部分が隠された状態で、さまざまな映像ヒントが流れる。
この人物は誰?
1941年 香港 様々な戦場を調査
第二次世界大戦のキャンプ
生涯に4度結婚
ノーベル文学賞を受賞するも式は欠席
本人の貴重な肉声「私は長編小説を書いていて/
辰巳琢郎さんが「チャーチル」と回答するも、不正解。映像が再開する。
「私は長編小説を書いていて/
ヒントが増えていない状態で、真夏さんがボタンを押す。
「……ヘミングウェイ?」
ピンポーン!
「すごい!」「見事、見事!」「これ取るのすごいわ」と周りの歓声。
MCであるさまぁ〜ずの三村さんに「どうして?」と訊かれる。
「乃木坂の歌詞でヘミングウェイって入ってるんですよ。それで調べたことがあって。」
ヘミングウェイを 読みながら 僕はチラ見した
乃木坂46 / バレッタ
学びのきっかけは、意外と身近に存在することに気がついた瞬間だった。
そのとき、ふと思い出した。私も昔、SKE48の『恋を語る詩人になれなくて』を聴いて、「リルケ」を調べたことがあった。
趣味を楽しんでいるなかで、知らないことに出会って、疑問を持って調べてみる。ただそれだけで、学びになるのだ。
その後、真夏さんは、やくみつるさんを倒し決勝進出を決めた。
私はこのクイズがきっかけで、趣味から広がる世界と、その世界にいる自分に気が付き、数カ月後「趣味で学ぶ雑学」というシリーズの最初となる記事を執筆することになります。
過去の「思い出のクイズ」はこちら。