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納豆と生ピーマンの組み合わせにハマってます。こんにちは! のせぴりかです。

みなさんは世間を地味に騒がせ続けている“最強の菌”がいるってご存知ですか?

そう、その名も納豆菌

▲アツアツのごはんに乗せていただきたい

納豆のあの粘り気や匂いを生み出す菌で、私たちにとって身近な存在ですが、実はとんでもないパワーを秘めた菌なのです。

酒蔵やしょうゆ工場を見学したことがある人は、納豆を食べてこないように事前に説明を受けた経験があるかもしれません。これも、納豆菌の強さゆえなのです。

今日は、そんな納豆菌の「強さ」の秘密意外な使われ方についてご紹介します。

納豆菌が「最強」といわれる理由

納豆菌は、枯草菌こそうきんと呼ばれる細菌の一種で、その名の通り枯れ草、特に稲わらに多くいる菌です。

納豆は、古くは煮た大豆を稲わらに包んで、保温しながら寝かせることで作っていました。わらについている納豆菌が大豆のタンパク質を分解し、発酵することで納豆ができあがります。

このとき、大豆を包むわらは熱湯で煮たものを使います。つまり、少なくとも納豆菌は熱湯にさらされても平気であることがわかります。

そんな納豆菌は、そのほかさまざまな厳しい環境条件でも生き残れることが知られており……

  • 乾燥に強い。天日干しをしても大丈夫
  • 暑さや寒さに強い。100℃にもマイナス100℃にも耐えられる
  • 酸性条件にも耐えられる
  • 真空状態でも生き残る

といわれています。酸に耐性があるため、納豆菌は胃酸にさらされても死滅することなく、腸で元気に活動できるのです。

納豆菌は、多くの生物にとって有害な活性酸素を分解して乳酸菌などの善玉菌を活性化させることができ、腸内環境を改善するなど私たちの体の調子を整えてくれるように働きます。

大気中の微生物に関する近年の研究によると、多くの微生物にとって生命維持が難しいとされる上空約3,000mに、納豆菌が漂っていることがわかったそうです。納豆菌の生命力、おそるべし……

ちなみに、この納豆菌を使ってつくられた納豆「そらなっとう」は、通常の納豆に比べて味がまろやかで、納豆嫌いな人でも食べられると好評だそうですよ。

強すぎるから酒蔵では大敵

納豆菌はただ強いだけではなく、増殖能がとても高いことも特徴的です。30分ごとに倍の数になるとされ、他の菌よりも圧倒的な速さで増えていきます。

そんな納豆菌がもしも酒蔵に紛れ込んでしまったら、酒造りに重要な麹菌よりも先に増えて、麹菌が繁殖できなくなってしまいます。だから、酒蔵や食品工場などでは納豆が禁止されていることがあるのですね。

▲酒蔵見学などに行くときは要注意

一方で、この繁殖力の高さを活かして、農作物に悪影響のある菌の繁殖を防ぐために、納豆菌やその仲間を用いた農薬が開発されていたり、水質を浄化するブロックに応用されていたりします。

どうして納豆菌はそんなに強いの?

納豆菌の強さの秘訣のひとつに、「芽胞を形成すること」があります。納豆菌は、周囲の環境が生存に適さないことを察知すると「芽胞」と呼ばれる殻に閉じこもって休眠します。

納豆のネバネバのなかにはこの芽胞が無数に含まれており、胃酸をものともせず腸にたどり着くことができるのです。

強酸性にさらされた後の納豆菌の増殖は、こちらの動画でわかりやすく観察することができます。

▲強酸にさらされた後でもニョロニョロ増える納豆菌に注目

結論:納豆パワーは無限大

今回は、納豆菌の強さの秘密を紹介しました。栄養状態がよいときにはいきいきと活動し、そうでないときは芽胞をつくってしっかりと休む。我々も納豆のメリハリを見習いたいものですね


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この記事を書いた人

のせぴりか

東京大学で医学を学ぶ6年生です。茶道、アイヌ語、日向坂46、カタンが好き。色々な分野を掛け合わせながら、「読んでよかった」と思っていただけるような記事をお届けできれば嬉しいです。

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