解説
正解は「ケイ素(シリコン)」でした。
それでは、ヒントになった画像について説明していきます。
画像1:ガラス
1枚目の画像は、生活の中で見ない日はないといっても過言ではない「ガラス」です。ガラスは用途によっていくつか種類がりますが、主な原料は珪砂と呼ばれる、二酸化ケイ素を主成分とする砂です。
つまり、ガラスも水晶も成分としては同じということ。実は、砂や砂岩の主成分は二酸化ケイ素であり、地球上にありふれた物質なのです。そんな二酸化ケイ素も、長い時間をかけて結晶になれば水晶ができる、なんだかロマンチックです。
▲でも、砂を宝石扱いしてプレゼントするのはやめよう
画像2:水晶(石英)
2枚目の画像は、宝石として有名な水晶です。主成分はガラスと同じ「二酸化ケイ素(SiO₂)」というケイ素の化合物です。同じ族の炭素が作る二酸化炭素(CO₂)が気体であるのに対して、二酸化ケイ素は固体です。この違いは、二つの化合物の構造の違いに由来します。
via Wikimedia Commons, JJ Harrison (https://www.jjharrison.com.au/) CC BY-SA 2.5
二酸化炭素は「CO₂」というひとつひとつの粒子(分子)が独立して存在していますが、二酸化ケイ素は、ケイ素の原子と酸素の原子がたくさん集まり、つながることで巨大な構造を作っています。そのため、がっちりと固定されていて簡単にはバラバラに(気体に)なれないのです。
画像3:シリコンウエハ
3枚目の画像は、半導体を作るために必要不可欠な「シリコンウエハ」でした。
via Wikimedia Commons, PeelldenCC BY-SA 3.0
シリコンとは英語でケイ素のことです。半導体は、電気をよく通す金属と、電気をほとんど通さないゴムなどの中間の性質を持つ物質です。ケイ素や、ケイ素と同じ族のゲルマニウムは、半導体としての性質を持ち、産業に欠かせない元素になっています。
画像4:周期表
▲浮かんできますか? 元素記号
周期表を暗記している方は一撃だったのではないでしょうか。ケイ素は、14族、第3周期にあります。元素周期表で縦のライン(族)に連なる元素は、似たような性質を持っています。
この性質を見抜いたロシアの科学者・メンデレーエフは、当時未発見であり、周期表で空欄になっていたケイ素の下にある元素に「エカケイ素」という仮の名前を付けてその性質を予言しました。ほかの科学者はこの予言に懐疑的でしたが、のちに似た性質を持つ新元素「ゲルマニウム」が発見され、彼の発言の正しさが証明されました。
(2023年11月7日11:34 お詫びと訂正)記事掲載当初、「ケイソ」のみが正解となっており、別名の「シリコン」と入力しても不正解となっていました。お詫びして訂正いたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました! ぜひ次回の「今日の一問・理科編」にも挑戦してくださいね!
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