解説
正解は「ベガ」でした。
ヒント1:今から1万2千年後に北極星になります。
「北極星」とは、地球の自転軸を北に伸ばしていった方向にある星のことをいいます。北極星は地球から見るとほとんど動かないように見えるため、古くから航海などの目印にされてきました。現在の北極星はこぐま座にあるポラリスという星ですが、約1万2千年後にはこと座のベガになるとされています。
▲こぐま座とポラリス via Wikimedia Commons Torsten Bronger CC BY-SA 3.0
では、なぜ北極星は時間が経つと変化していくのでしょうか。
実は、地球の自転軸は長い時間で見ると少しずつその向きを変えていることがわかっています。この動きは「歳差運動」と呼ばれるもので、身近なものではおもちゃのコマが行う首ふり運動に見られます。このため、地球の自転軸の向きにある北極星も長い時間で見ると変化していきます。
ちなみに、地球で起こる「歳差運動」は約2万6千年という途方もない時間でちょうど1周するものであり、地球の動きのタイムスケールがどれだけ大きいかがよくわかりますね。
ヒント2:こと座にある1等星で「織姫星」とも呼ばれます。
ベガはこと座にある1等星です。1等星とは、星の明るさの尺度のひとつで、6等星の100倍の明るさを持つ星です。全天に21個あり、その中でもベガは特に明るく見える星として知られています。
▲こと座 via Wikimedia Commons Torsten Bronger CC BY-SA 3.0
また、ベガは有名な七夕伝説になぞらえて「織姫星」とも呼ばれます。同じく七夕伝説に登場し、織姫の結婚相手である「彦星」は、わし座にあるアルタイルです。
伝説では、織姫と彦星は神様によって天の川の両岸に引き割かれてしまいますが、実際の星空を見てみても、「織姫星」であるベガと「彦星」であるアルタイルは天の川を挟んだ位置にあることがわかります。
ヒント3:はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルと共に「夏の大三角」を構成します。
夏の夜空に見える1等星であること座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを線で結んでできる大きな三角形を「夏の大三角」と呼びます。いずれも比較的見つけやすい3つの星から構成されるので、夏の星座さがしの目印としてよく用いられます。
▲夏の大三角 via Wikimedia Commons Hisagi CC BY-SA 3.0
ちなみに、冬の夜空に見られる「冬の大三角」は、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスの3つの1等星で構成されています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! ぜひ次回の「今日の一問・理科編」にも挑戦してくださいね!
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