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解説
正解は『モルダウ』でした。
合唱曲『モルダウ』は、スメタナ作曲の連作交響詩『わが祖国』の第2曲『ブルタバ』に、歌詞をつけたものです。「ブルタバ」はチェコ共和国最長の川の名前で、この川のドイツ語名が「モルダウ」です。
スメタナが作曲家・指揮者として活躍した1800年代後半、スメタナの祖国・チェコはオーストリア帝国の支配下にありました。スメタナは、音楽を通してチェコ民族の独立を支えたいと考えるようになります。
しかし、この頃のスメタナは、激しい耳鳴りに苦しむようになり、のちに完全に聴力を失ってしまいます。スメタナは耳の異常に苦しみながらも、祖国の風景や神話をモチーフに作曲を続けます。そして1879年、連作交響詩『わが祖国』が完成したのです。
スメタナの独立への思いは、『ブルタバ』にも表れています。『ブルタバ』の最後のメロディーは、チェコ民謡『コチカレゼディーロウ』から引用されています。スメタナは、民謡の「雨が降っても必ず晴れるのと同じように、今は苦しい状況でも、いつか必ず明るい未来がやってくる」というメッセージを曲に込めたのです。
『ブルタバ』は、2004年にチェコがEUに加盟する際に歌詞が付けられ、チェコの第2の国歌として今も愛されています。また、毎年スメタナの命日(5月12日)からチェコの首都・プラハで行われる「プラハの春音楽祭」では、必ず最初に『わが祖国』が演奏されています。スメタナの思いは、楽曲を通して今も多くの人に伝えられているのです。
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