答えと解説
正解は『展覧会の絵』でした。
音ありの動画はこちら。
『展覧会の絵』は、ロシアの作曲家・ムソルグスキーによって1874年に作曲された、ピアノのための組曲です。
のちに多くの作曲家によってオーケストラ用に編曲されましたが、その中で最もメジャーと言えるのがフランスの作曲家・ラヴェルの編曲です。ピアノ版よりもこちらの方が聴き馴染みがある、という方も多いでしょう。
ムソルグスキーは、「ロシア5人組」と呼ばれる作曲家集団の1人です。この5人組は、単なるヨーロッパのまねではなく、「ロシアらしい音楽」を作ることを目指して作曲活動をしていました。
『展覧会の絵』は、彼の友人だった画家・ハルトマンの遺作展からインスピレーションを受けて作られました。今回演奏したのは『展覧会の絵』の「プロムナード」冒頭で、堂々とした曲調と、4分の5拍子と4分の6拍子を組み合わせた11拍子が特徴です。
「プロムナード」は五音音階、教会旋法、変拍子などのさまざまな要素が組み合わさってできており、当時のヨーロッパの流行音楽とは全く違ったものでした。これは、ヨーロッパ、アジア、ロシアの要素をあわせ持つハルトマンの絵をイメージしているとも言われています。組曲の中でも「プロムナード」のメロディーは、速度や調性を変えて5回、変奏を含めると6回も登場することから、曲にとって重要なセクションであることがわかりますね。
今週はそんな『展覧会の絵』から、「キーウの大門」を聴いてお別れといたしましょう。音源は、ラヴェルが編曲したオーケストラ版です。
次週の「今日の一問・音楽編」もお楽しみに!
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