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答え・解説

正解は「正倉院」でした!

正倉院は「奈良の大仏」で知られる東大寺にある宝物庫です。東大寺の建立を行った聖武天皇の宝物東大寺に伝わる文書などが保管されています。

アジア大陸から伝来した宝物を数多く所蔵したことから「シルクロードの終着点」とも呼ばれます。

ヒント1:蘭奢待らんじゃたい

蘭奢待は正倉院に所蔵されている香木(香道で使われる香りのいい木のこと)です。

足利義政や織田信長ら時の権力者が少しずつ切り取った記録が残っており、蘭奢待はしばしば「天下人の持ち物」というイメージで語られてきました。

ちなみに、「蘭奢待」という漢字の中に「東大寺」という漢字が隠れているため、「東大寺」という別名で呼ばれることもあります。

ヒント2:鳥毛立女屏風とりげりゅうじょのびょうぶ

木の下にいる中国・唐の服を着た女性を描いています。完成当時は表面に鳥の羽毛を張りつけていましたが、現在は羽毛が落ちてしまい、下に描かれていた描線が露出しています。

この作品のように、奈良時代の芸術作品の多くは中国・唐の影響を受けています。唐やペルシャなど大陸の文化の影響を受けたこの時代の文化は「天平文化」と呼ばれ、仏像や工芸の名品が数多く生まれました。

ヒント3:平螺鈿背円鏡へいらでんはいのえんきょう

「平螺鈿背円鏡」は中国・唐で製作された鏡です。背面を螺鈿らでん(貝殻のかけらを使って文様を表す装飾技法)によって華やかに装飾されています。ヤコウガイと琥珀こはくで花の文様を表し、空いた部分には細かく砕いたトルコ石を敷き詰めています。

正倉院に所蔵された宝物の多くは奈良時代のものであるため、1200年以上前のものです。にもかかわらず、現在でも極めて良好な状態で保存されています

その理由として、みだりに正倉院内の宝物を開封することが無く丁重に保護されていたこと、宝庫が床下が地面から離れた高床式であり防湿や防虫に優れていたこと、定期的に宝物を倉から出し太陽光にさらし、風を通す作業(曝涼ばくりょう)を行っていたことが挙げられます。

ちなみに、かつては「校倉造あぜくらづくり(断面が三角形の木材を交互に積み上げて壁にした建築様式)のおかげで室内の湿度が一定に保たれた」という「校倉造呼吸説」もよく理由に挙げられていましたが、現在ではこの説は科学的に正しくないものだとされています。

毎年秋に奈良国立博物館で開催される「正倉院展」では、貴重な宝物の数々が一般公開されています。秋に関西を訪れた際には、ぜひ奈良国立博物館まで足を運んでみてください!


ぜひ次回の今日の一問・美術編も楽しみにしてください!

【前回の「今日の一問・美術編」はこちら】

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この記事を書いた人

松井一将

松井一将(マツイカズマサ)と申します。京都大学で美学・美術を勉強しています。クイズもしています。読者の皆さんの人生にちょっとした豊かさを与えられるような記事を書ければと思います。よろしくお願いします!

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