解説
1問目:「どうぞ、お先にいただいてください」→×
「いただく」は「食べる」の謙譲語。目上の人の行動に対して使ってはいけません。正しくは「召し上がってください」などが良いでしょう。
2問目:「明日の10時にお伺いします」→〇
「伺う」は「行く」の謙譲語。自分の行動について使うものです。
では、「行く」の尊敬語は?
いらっしゃる・おいでになる・お越しになる・行かれる……などが適当です。
3問目:「とんでもございません」→どちらとも言えない(両方正解)
「とんでもございません」は、本来「とんでもない」という形容詞の丁寧語。
「とんでもない」は「とんでも」と「ない」には分解できない(「みっともない」などと同じ)ので、「ない」だけを丁寧にして「とんでもございません」とはならないはずです。
しかし、平成19年に文化庁が発表した「敬語の指針」に「現在では,こうした状況で使うことは問題がないと考えられる」と書かれているように、文法的に間違っているとはいえど、世間一般に広がった表現であるため、一概に×とはできません。
4問目:「了解しました」→どちらとも言えない(両方正解)
しばしば、目上の人に「了解しました」は失礼、「承知しました」を使うべきだ、という主張を見かけます。ただし、この主張、根拠がほとんど無いのです。
では何故「了解しました」は失礼、と言われるようになったのか……? どうやら「マナー本」が由来のようです(詳しくはこちらの記事を読んでください)。
しかし、現状として、「了解しました」を使う人が多い一方で、「了解しました」を不快に感じる人もいるのは確か。「承知しました」を使っておけば安全……かもしれません。
5問目:「○○さんがおっしゃられた通りです」→×
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」。それにさらに「れる」をつけると二重敬語となり、大げさで違和感を覚えるものとなってしまいます。「おっしゃった通りです」だけで充分です。
どうでしたか?
敬語を使いこなすのはなかなか難しいですが、正しく使って損することはありません。
伝わる日本語を使って、良いコミュニケーションを!