ヒントはすぐ近くに
ヒントとなるのは、我々QuizKnockが監修したイベント「トーキョーディスカバリーシティ!」が7月21日から9月24日まで開催されているトーキョードームシティ内にある、東京ドーム。読売巨人軍の本拠地球場であり、数多くのライブが開かれた、東京を代表する建物のひとつだ。
▲ここかー! ここにヒントがあったかー!
我々監修のドームツアーに参加することでクイズに挑戦できる東京ドームは、その形状を保つべく、屋根を気圧差によって膨らませている。中の気圧は外に比べて3hPaほど高く設定されているのだ。
▲膨らんだドームの屋根にはこんな秘密があったのだ
ちなみに、実際に換気扇を回して計測したデータでは、一般的な家における室内外の気圧差は10Pa程度。東京ドーム内外の1/30である。
この気圧差ゆえ、東京ドームでは外に出る時、かなりの強風に背中を押されることとなる。一度に多人数が出入りできるタイプの出口では、内から外に向けて最大20m/sの風が吹くのだ。
ここでは、まさに我々が狙う現象の「逆」が起こっている。ドーム内は高圧のため風が吹き出ているが、今回は部屋内を低圧にして風が吹き込む状況を作るのだ。
しかも、今回目指すのは40m/s。建物の構造はある程度違うが、気圧差として3hPa以上、かなり大幅な変化を起こさねばならない。今すぐ大工事だ。
ありとあらゆる隙間を塞ぎ空気の流入を防止。さらに、巨大かつ強力な換気扇をいくつも設置(調べたところ、業務用程度ではパワー不足だった)。『大改造!!劇的ビフォーアフター』のハズレ回くらい、跡形もないリフォームが必要だろう。
▲終わってるゾナウギア???
そして、いざ工事が終わって、室内が3hPa超えの低圧状態になったとする。正直ふつうの戸建てだと壁中換気扇だらけになりそうだったが、無理やり出来たと仮定しよう。
晴れて今日からオールバック生活……とはいかない。オールバックは君に、覚悟を求める。
気圧による体調不良が生じるのだ。
オシャレと我慢はトレードオフ
こちらの論文によると(※本来は複数論文を併読すべきである)、気圧は6hPa〜10hPa低い時が一番体調を崩しやすいそうだ。これだけの低圧を家庭内に作り出すなら、低気圧関連の体調不調で登校どころではないだろう。
▲悲しみのオールバック
……難工事の先に待っているのは、毎日の頭痛。文字通り頭が痛い問題である。
やはり、どう考えても室内低圧案は現実的ではない。誰かおうちでやってるよって人がいたら教えてください。
しかし、諦めるつもりは毛頭ない。頭の毛だけに。
家が無理なら、外側の気圧を上げれば良いのだ。
ここで使うのは、土地の高低差である。
標高が高いところは気圧が低い。100m上昇すると気圧は10hPa低下する。国民的人気漫画『賭博黙示録カイジ』における鉄骨渡りのシーンを思い浮かべてもらえれば簡単に理解できるだろう。
つまり、この逆を行えばいい。外気の流入を塞いだ上で、家自体を地上に空いた深さ50m程度の穴まで運ぶのだ。地下行きっ……ってこれもカイジみたいな話である。
レッツ地下移住。歌詞でも「地下に潜りたいな」って言ってたよね。
▲我々は今丁寧にオールバックを作っています
思えば遠く(深く)まで来たものだ
満を持して家の扉を開けたら……間違いなく強烈な突風が流れ込んでくるだろう。外の気圧は、地上より5hPaほど高くなっているからだ。
これなら、外出時に即、オールバックへのセットが完了する。多少のお寝坊さんもセーフだね。
▲どこに外出しようというのか
そしてもうひとつ。『強風オールバック』を再現することは、大きな副産物を齎してくれる。
それは、相当なパワーがない限り、そもそも扉が開かないのだ。マンション住みの方は、気密性の高さゆえに扉が開かない経験をしているだろう。あれは室内の低圧で扉が室内側に引っ張られているのだ。
暮らしづらい? ノンノン。そういうことじゃない。
日々扉の開け締めをするだけで、自然とオールバックの似合うマッチョにもなれるのである!!!
地下深くに潜む、オールバックマッチョの楽園。これこそ、私の作りたかった楽園都市だ。
地価が低い今のうちに、まずは100坪ほど投資してみてはいかがだろうか。
〜Fin〜
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