ライトノベル、通称「ラノベ」。
『転生したらスライムだった件』
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』
『没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた』
その特徴として、内容を想像しやすいタイトルの作品が多いということが挙げられます。
一方、「名作文学」といわれる作品のタイトルは、多くがシンプルそのもの。タイパ重視な現代人の「読書離れ」は、「読んでみないと内容がわからない」ことにも一因があるのかもしれません……。
ここはひとつ、名作文学をラノベ調にアレンジした令和版の名作タイトルを作ってみましょう。
『走れメロス』→??

まずは教科書でもおなじみの太宰治作品。
もし太宰がラノベ作家だったら……力尽き果てるまで走り続ける主人公を形容するのに、ラノベの
『走れメロス』その2

こちらはメロスの帰りを待つ盟友・セリヌンティウス目線のバージョン。ラノベ界の王道というべきレーベル・電撃文庫から出ていそうな雰囲気です。
『山月記』→??

略して「おれとら」。漢字が多くてとっつきにくいイメージのある本作ですが、このタイトルならアニメ化やグッズ化も夢ではないでしょう。
文学賞選考委員の「『〜なりました!』の明るさが、かえって主人公の孤独を際立たせている」みたいな評が目に浮かぶようです。
『羅生門』→??

芥川のあの名作も、「バトルシーン満載、巨弾新連載!」といったおもむきに。
書店の本棚に並ぶとしたら、「涼宮ハルヒ」シリーズなどを刊行している角川スニーカー文庫あたりでしょうか。普段ラノベを読まない方にも広く手にとってもらえそうです。
『細雪 』→??

谷崎潤一郎の『細雪』は名作中の名作ですが、タイトルからは「四姉妹の生活」というテーマがなかなか想像できません。
その点、ザ・日常系ラノベな『まきおか☆しすたーず!』なら問題なし。コミカライズも大いに期待できます。
『竹取物語』→??

古典文学だって、ラノベとなれば萌え要素がほしいところ。『Re:ゼロから始める異世界生活』などを送り出した、MF文庫Jから即重版が決定するでしょう。
このようなタイトルなら、ラノベ好きやアニメ好きの方々も書店で手に取りやすいでしょうか。
……しかし、『走れメロス』や『羅生門』だって、先人たちが知恵を絞ってつけたはず。そう考えると、要素の少なさに美学のようなものも感じます。
やっぱり、文豪はすごい……!!
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