解説
Q.1 奈良県立医科大学が人工赤血球の臨床試験開始を発表
1日、奈良県立医科大学は2024年度中に人工赤血球製剤の臨床試験を開始することを発表しました。 人工赤血球製剤は、通常の輸血製剤が不足するへき地医療や大規模災害での活用が想定されています。
この製剤は献血で集めた血液のうち、有効期限が過ぎたものなどから成分を抽出し、人工的な膜で包んだものです。冷蔵が必要な輸血用赤血球と異なり、常温で2年間の保存が可能です。また、血液型の成分が存在しないため、患者の血液型に関わらず投与が可能です。
奈良県立医大は、2030年ごろまでの実用化を目指し、来年3月ごろから患者を募集して安全性や有効性を確かめる予定です。
人工赤血球、治験実施へ - 奈良県医大、緊急時に活用https://t.co/T2z8YFcke7
— 共同通信公式 (@kyodo_official) July 1, 2024
Q.2 20年ぶりに新紙幣の発行が開始される
3日、20年ぶりとなる新しい紙幣の発行が始まりました。新紙幣には、一万円札に渋沢栄一、五千円札に津田梅子、千円札に北里柴三郎が描かれています。
最も若い記番号(お札表面の左上と右下に書かれている、数字とアルファベットを組み合わせた文字列)の3種類の紙幣「AA000001AA」は日銀の貨幣博物館に収蔵されています。その他の若い番号の紙幣は、埼玉県深谷市や津田塾大学、北里研究所など、紙幣の肖像やデザインにゆかりのある自治体・団体へ贈呈されました。
また、各業界で新紙幣への対応が始まっています。JRの券売機では利用者の多い駅を中心に多くの駅で少なくとも一台、対応済みの券売機が導入されています。また、金融機関のATMでも9割以上が対応済みですが、窓口対応を優先するため、新紙幣の充填に関しては積極的に行わない方針です。
Q.3 外科手術をするアリが見つかる。ヒト以外では初の報告
2日、アリの一種・フロリダオオアリが、脚を負傷をした仲間に対して、負傷した脚の切断手術を行うことが報告されました。ヒト以外の生物で、仲間に対して外科手術をすることが発見されたのはこれが初となります。
フロリダオオアリは脚を怪我した仲間に対して、口を用いた傷口の洗浄を行い、必要があれば脚を切断します。アリは傷口から侵入した病原菌が全身に広がるのを防ぐために足の切断を行うと考えられており、治療を受けたアリは受けていない場合に比べて、生存率が大幅に向上していることが確認されました。
さらに、フロリダオオアリは怪我の程度や位置によって治療を変える、高度な医療システムを有していることがわかりました。調査の結果、細菌の回るスピードが手術にかかる時間よりも早い場合は、手術は行わず傷口の洗浄に時間をかけることが確認されました。
Q.4 旧優生保護法に戦後13例目の違憲判決がくだされる
3日、旧優生保護法に関して憲法に違反する規定があったとして、最高裁判所は国に損害賠償を命じる判決を言い渡しました。最高裁が法令の規定を憲法違反とするのは、今回で戦後13例目となります。
旧優生保護法は1948年に施行され、1996年に母体保護法に改正されるまで48年間存続した法律です。当時は親の障害が子どもに遺伝すると考えられていたこともあり、精神障害や知的障害を理由に本人の同意なしに強制的に不妊手術を行うことが、法律で認められていました。
48年間で2万5000人ほどが不妊手術を受け、そのうちの少なくとも1万6500人ほどが強制的に手術を受けさせられたとされています。
“旧優生保護法は憲法違反” 障害者などに不妊手術 最高裁判決https://t.co/fpW5sDZbzt#nhk_video pic.twitter.com/bWDkM2pOGY
— NHKニュース (@nhk_news) July 3, 2024
最後までお読みいただきありがとうございました。来週もぜひ挑戦してください!
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