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こんにちは。豊岡です。

WBC全チーム見どころガイド、今回は第2回ということで、我らが侍JAPANの所属するプールB・東京ラウンドを分析していきます。 分析の方法などは前回に従いますので、ぜひプールAから先に読んでみてください。

プールB・東京ラウンド

pool_B

出場国は、中国・オーストラリア・キューバ・日本です。日本の東京ドームで行われます。

侍JAPANが入っているのに大変恐縮ですが、正直一次リーグにおいてダントツの無風なプールだと思われます。というのもこの4チームは、日本→キューバ→オーストラリア→中国と、実力の序列があまりにもはっきりしているからです。あり得る番狂わせは、キューバ・オーストラリアが入れ替わるくらいではないでしょうか?

中国:小手先で一泡吹かせられるか【投1・打1】

今回のWBCに出場する国の中で、文句なしの最弱チームです。バンス・ウォーリーやコルテン・ウォンなど、当初噂された有力な中国系メジャーリーガーの招集は結局見送られました。唯一のメジャー経験者はブルース・チェン投手です。しかし彼は近年引退状態にあり、完全に体がなまって球速100キロ程度しか出ない状態から、急ピッチでトレーニングを進めている最中と報道されているので、あまり期待はできないと思われます。

中国代表が他の国に対抗するには、どの選手が出てもあまりレベルが変わらないという特性をいかし、激しい投手交代と打線の組み替えで、偶然の勝ちを拾っていく必要があるでしょう。

オーストラリア:接戦を勝ち取りたい【投3・打2】

今回はアメリカのマイナーリーグでプレーする選手が比較的少なく、国内組の多い編成となっています。

日本にゆかりのある選手としては、かつて楽天で先発としてプレーしたトラビス・ブラックリー、2015年にヤクルト・昨年は四国アイランドリーグで外野手としてプレーしたミッチ・デニングがいます。

相対的な戦力の弱さが隠しきれないオーストラリアですが、ピッチャーはそこそこのメンバーがそろいました。先発の陣容は微妙なものの、メジャーで登板数を重ね実績を残しているピーター・モイランリアム・ヘンドリクスのリリーバーコンビは注目です。

オーストラリアが強豪相手に勝つには、リリーフ陣を中心とした投手陣が踏ん張り、打線が取ったリードを守り切ることになるのではないでしょうか。ジェフ・ウィリアムスを擁し、2004年のアテネ五輪準決勝で日本を下した時のような試合展開が理想でしょう。

 

キューバ:人材流出に苦しむ古豪【投3・打3】

MLBで躍動するスター選手達は誰も出場せず、いつも通り国内組中心の編成となっています。

加えて、キューバ野球は近年、アメリカでプレーするために亡命する若い選手が激増し、人材流出に頭を悩ませています。かつてのアロルディス・チャップマン(現ニューヨーク・ヤンキース)やヨエニス・セスペデス(現ニューヨーク・メッツ)のように、メジャーの主力レベルの国内組が突然襲いかかってくることはなく、パワーのある選手や球速のある投手は多くが海外に出てしまっています。

打線は、グリエル兄弟が亡命した今、巨人でプレーしたフレデリク・セペダや、先頃ロッテからソフトバンクへの移籍が成立したアルフレド・デスパイネが主砲を務めます。

その他の選手や投手陣は一時代前に比べて遥かに小粒です。ただそれでも、次々と人材が発掘される裾野の広い野球大国であることは事実。中国には圧勝できるでしょうし、一段格が落ちるオーストラリアにもどうにか勝てるのではないでしょうか。

日本:もし一次リーグで負けるなら?【投4・打4】

皆さんおなじみの侍ジャパンのメンバーが出場します。メジャーリーガーは青木宣親のみで、大谷翔平のケガによる離脱はありましたが、今回もプールBを余裕で勝ち抜ける程度の戦力はあると思われます。

そうはいっても、何が起こるか分からないのが一発勝負の国際試合です。また、何よりこのまま記事が終わってしまってはつまらない。

そこで、万が一日本代表が負けるとすればどういうシナリオがあり得るか、考えてみます。負ける要素が2つ挙げられます。

①シーズンの時期の違い

日本代表は、昨年秋にシーズンを終えて長いオフに入り、ようやくキャンプで今シーズンに向けてのウォーミングアップを行ったところでWBCを迎えます。一方で、キューバ代表やオーストラリア代表は、国内の秋冬にリーグが開催されており、WBCにはシーズンまっただ中のキレキレのコンディションのまま乗り込んできます。

両者には明らかに仕上がりの差があり、日本代表がつけ込まれるとしたらこの点でしょう。

②ロースコアゲームに持ち込まれる

国際試合では、初対戦の投手との対戦が多くなります。いかにデータを事前に収集していても、いざ打席に立ってからとらえるまでには時間がかかるもの。さらにWBCは球数制限もあるので、比較的テンポの良い投手交代が予想されます。

そうなると、ようやく捉え始めたころに投手交代というルーティンを繰り返され、ロースコアゲームに持ち込まれるので、番狂わせの可能性が高まることでしょう。

 

以上2つの懸念事項を踏まえると、初戦キューバ戦をコンディションの差で落とし、2戦目オーストラリア戦をロースコアゲームで落とし、3戦目中国戦に勝つも焼け石に水、というのが日本敗退のあり得る流れでしょうか?

思わぬ落とし穴にはまらないよう、順調に二次ラウンドに進出してほしいものです。個人的にも、オランダや韓国と対戦する前に負けてほしくないと思います。


次回は、激戦必死のプールCを扱います。これぞ世界戦といえる豪勢な勝負に期待!

もし気に入っていただけたら、次回もよろしくお願いします。

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この記事を書いた人

豊岡

東大クイズ研究会OBのライターです。日本なら福岡ソフトバンクホークス、アメリカならオークランド・アスレティックスのファンです。日常生活では誰にしゃべっていいのか分からずお蔵入りになるタイプの感動を、少しでも記事に落とし込んでいけたらと思います。よろしくお願いします。

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