こんにちは、高松です。
「高松Dの『収録までになんとかします!』」は、QuizKnockの動画収録の裏話や、僕の裏方としての仕事について楽しく紹介していく連載です。
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最近はピザがマイブームです。近所においしいピザ屋があり、週1回のペースで通っています。
お財布にはあんまり優しくないんですが、自炊で再現できないタイプのご飯なのでついつい行ってしまうんですよね。将来はオーブンの付いた家に住んで、自炊でピザを作れるようになりたいな……と思う今日このごろです。
今回は、3度目となったUACJさんとのコラボ動画について振り返ります。この動画はなんといってもQuizKnock史上最大規模の撮影を行いました。そのぶん準備も大規模だったのですが……僕の奮闘をぜひ読んでいただけたらと思います。
今までに負けない内容にしたい
UACJさんのコラボ動画は今回で3回目。1回目はオフィスに車のドアを持ち込むサプライズ、2回目は動画全体を使って視聴者のみなさんにもクイズを出題と、インパクトのある動画を作ってきました。
今回も今までに負けない動画にしたいと思い、3つの競技にチャレンジしてもらうことにしました。コンセプトは「知のトライアスロン」です。
▲体力より知性と運のトライアスロン
トライアスロンといえばスイム(水泳)・バイク(自転車)・ラン(長距離走)の総合タイムを競う競技ですが、撮影するのはプールがある施設ではないので、「スイム」ができません。トライアスロンの種目をどんなものにするのか、かなり時間をかけて決めました。最終的に競技として採用されたジュラルミンケース、竹馬、ボールプールについて、ウラ話を紹介していきます。
ジュラルミンケースの中身は〇〇
普通のトライアスロンの「ラン」にあたるのが、「なるべく軽いジュラルミンケースを持って走る」という競技です。ジュラルミンケースには、中身の重さをさまざまな単位や言葉で表した紙が貼られていて、より軽いケースを選べると競技を有利に進めることができます。
重さの表示は、問題作成チームにお願いして「想像しにくいもの」「数字が特大、極小」など、パッと見て面白く、かつ重さが想像つかないものを考えてもらいました。おかげで、「0.2キンタル(フランス)」という重いのか軽いのかわからないような単位から、「千葉県の羽黒前遺跡から出土した
※フランスにおいて1キンタル=100kg、つまり0.2キンタルは20kg。千葉県の羽黒前遺跡から出土した笹穂鏃の重さは42.3g。
▲軽いケースを選べるかはほぼ運
ちなみに、置かれているケースの中で一番軽かったのは「1グレーン」で約0.06g。グレーンとは大麦1粒の重さに由来する単位で、ヤード・ポンド法の質量の最小単位です。このケースにはティッシュペーパーを0.06gちぎって入れていました。一方、重いケースには過去の動画で使った重りなどが入っています。備品を残しておくと意外な場面で役立つものですね。
本当は「三輪車」の予定だった「竹馬」
トライアスロンの「バイク」にあたるのが、「竹馬に乗りながらクイズ」です。当初は竹馬ではなく三輪車に乗ってもらう予定で準備していたのですが、購入した三輪車が想定とは違う仕様であることがわかり、竹馬にチェンジすることにしました。
▲こだわりたかったんです
ちなみに伊沢さんに三輪車を試乗してもらったとき、脚力に耐えられなかったのかペダルが壊れてしまいました。竹馬にシフトして正解だったかもしれません。
準備に2日かかった……!ボールプール
トライアスロンの「スイム」にあたるのが、「文字を集めて元素を作る」競技です。ボールプールのなかから文字を集め、元素の名前を作るというルールで、ボールを3000個使いました。
実は事前に準備していたのは2000個だったのですが、撮影当日、ボールをプールに入れたときに少し物足りなさがあり、プールを借りたときについてきた約1000個のボールも追加で投入しました。
▲撮影当日にダミーの1000個投入決定
2000個のボールに文字を貼る作業は、アルバイトのメンバーにもお願いして2日がかりで行いました。テストプレイでは、ある程度時間がかかる難易度になるようルールや文字の個数を調整しました。
3000個のうち、「ウ」と「ム」以外の文字は合計67個しかありません。「リン」など、2文字だけ見つけてクリアできるものは、揃わないようになっています。ボールの内訳をグラフで見れば、メンバーが文字を探すのに苦労していたこともわかると思います。
▲「ウ」「ム」以外に文字がついているボールはそれぞれ1個か2個です。「素」はない仕様。(2024年2月26日18:30 訂正)グラフを適切なものに変更しました。
撮影は史上最大規模!高松Dの頭の中は……
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