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株式会社JERA

こんにちは! ライターののりです。大学では海洋生物について学んでいます。

最初に質問です。みなさんは、海でイルカを見つけたら、どうしますか?

もしかすると、「一緒に泳ぐ」「写真や動画を撮る」などと答えるかもしれませんね。

▲想像したのはこんな感じ?

少し質問を変えてみます。

イルカがいるはずのない海水浴場に、イルカが迷い込んできているのを見つけたら、あなたはどうしますか?

夏のレジャーの際に海でイルカやクジラと出くわす機会は、みなさんが想像しているよりも多く発生します。そして、それは海水浴場や観光客に危険を及ぼします。

イルカやクジラが迷い込んでしまうことがある

イルカやクジラといった海棲かいせい生物が、本来いるはずのない海岸に迷い込むなどして、自力で本来の生息域に戻ることができなくなることがあります。この現象をストランディングといいます。

ストランディングには以下のような分類があります。生きたまま海岸に乗り上げて動けなくなってしまう座礁、死体が流れ着いてしまう漂着、本来の生息地ではない海岸近くまで迷い込んでしまう迷入などです。

▲ストランディングの分類

たとえば、2022年以降、福井県の海水浴場にオスのミナミハンドウイルカが迷入するようになりました。ストランディングは、日本で毎年300件前後報告されています。

海水浴場に迷い込んだイルカを見つけたら

海水浴場にイルカやクジラが現れたときに取るべき行動は、

1. 触らない
2. 近づかない
3. 海から上がる

の3つです。


ストランディングしたイルカ・クジラと接触することはとても危険です。海水浴場など特定の場所に長期間居つき人との接触に慣れた個体は、人間を遊び相手として認識することがあります。噛みついたり引っ張ったり、イルカにとっての遊びを人間に対して行う危険性があるのです。事実、福井県の海水浴場では、人に慣れてしまった個体によって、2022年からの3年間で53人ものけがの被害が確認されています。

また、健康状態が原因でストランディングした個体との接触は感染症のリスクがあります。弱っている個体は、予測不能な行動をとったりパニックになったりすることもあり危険です。さらに、漂着した個体は異臭を放つこともあります。

イルカに近づいて触ったり餌をあげたりする行動は、イルカがより人間に近づくことにつながるので絶対にやめましょう。

もし第一発見者となったときには、すぐに海水浴場の管理者に報告しましょう。

ちなみに:ドルフィンスイムは危険じゃないの?

伊豆諸島の御蔵島や小笠原諸島では野生のイルカと泳ぐことができる「ドルフィンスイム」というアクティビティを体験できます。ドルフィンスイムではイルカの生態や行動に詳しい専門のガイドが同行するので、適切な距離やマナーを守ることで安全に野生のイルカを観察し、アクティビティを楽しむことができます。

座礁・漂着を見つけたら

座礁や漂着をしたイルカ・クジラを見つけたら、まずは私たちの安全のために適切な距離を取りましょう。特に頭や尾びれの付近は、ストランディング個体が急に動いたときに叩かれる危険性があるので近づかないようにしましょう。

また、感染症の恐れがあるので素手で個体に触れないようにしましょう。

©ストランディングネットワーク北海道 (CC BY 4.0)

むやみに近づく、かわいそうだからと海に戻そうとする、走ったり騒いだりするという行動はやってはいけない行為です。

そして、ストランディング個体の生死にかかわらず、通報をしてください。(国立科学博物館は各地の機関や協力者と常に情報を共有して調査や研究を行っているので、この点も覚えておくとよいかもしれません。)

ストランディング個体を発見したときは、情報を共有するために「写真を撮る(フラッシュは最小限に)」「体長を測る」個体の保護のために「優しく水をかけて濡らす(噴気孔には水を入れない)」「濡れた布や海藻などで胴体を覆う」などの対応も有効です。自分の身の安全を第一にしつつ、できることがあれば行動してみてくださいね。

さいごに

ストランディングの要因は、様々な要因による方向感覚の混乱や他の生物の行動との関連などが考えられますがまだはっきりと解明されていません。ストランディング個体は、イルカ・クジラの生態やストランディングの要因について知るための研究データとしても重要なんです。

いざというときに正しい行動をとることで、あなた自身の安全を守ると同時に、貴重な命を救い、科学的な記録にもつながります。海と生き物を尊重するために、正しい知識を身につけましょう。

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この記事を書いた人

のり

北海道大学水産学部に在学中です。海に関するさまざまなことに興味があります。海と人の素敵な関係性が愛おしくて大切にしたいと思っています。画面越しに磯の香りを感じられるような記事をお届けしたいです!

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