まずは希ガスについて少し話しておきましょう。
【歴史】
メンデレーエフが周期表を作ったとき、これから見つかるだろう元素の位置を空欄にしておいたことは有名です。
つまり、彼は未だ見つかっていない元素の存在を予測したのです。果たして空欄には次々とピースがはまっていきました。
そんな天才が予想を出来なかった、天才を超えた元素。それが「希ガス」。
当時は化学反応を用いて元素を発見していましたから、化学反応をしない希ガスなど予想外だったのです。
その後、スペクトル解析や分留といった新たな視点からの方法により、希ガス元素が次々と発見されました。
そんな彼らは、今では周期表上の一番右の列にいます。存在も位置も、まさに最右翼!
【性質】
希ガスは安定しています。なので、希ガスは化学反応をしません。
反応性に乏しい希ガス。化学反応を拒否しますから、化学的性質よりも物理的性質が注目されます。
例えば、よくゴム風船の中にはヘリウムを入れます。これはヘリウムの「軽さ」という物理的性質によるものです。
【メンバー】
導入の最後に、希ガスのメンバーを軽く紹介します。
- ヘリウム:水素の次に軽い元素です。
- ネオン:ネオンサインの中で輝いています。
- アルゴン:空気中に1%ほど含まれています。
- クリプトン:電球の中に入っています。
- キセノン:ライトの中に入っています。
- ラドン:放射性元素です。温泉でおなじみ?
さてさて、これで準備は万端。それでは、ディープな希ガスの世界へ足を踏み入れましょう。付いて来られますか?
これで希ガスの旅は一通りおしまい……。え、1つ忘れてるって?
そうですね、お話ししましょう。今年命名される見込みの元素オガネソン(仮)は周期表上、ラドンの下に位置します。新しいメンバーが加わるのです!
しかしオガネソンは科学の最先端オブ最先端。その性質は未だ研究中であるため、オガネソンのクイズが出来るのはもう少し後になってからになります。
希ガスは、元素は、化学は、まだ夢の途中なのです。
【オガネソン(仮)の基礎データ】
- 原子番号118、元素記号Og(仮)。
- 今まで合成された中で最も重い元素。
- 名前の由来はロシアの化学者ユーリイ・オガネシアン。まだ存命の、第一線の化学者です。もし正式に命名されれば、彼は「元素の名になった人物」としてメンデレーエフやアインシュタインらと肩を並べることになります。