\ 連載「クイズを味わう」 /
「クイズ」は、物知りな人が解いて答えるだけのもの? いやいや、問題に込められたメッセージや「たくらみ」を見つけるのも、クイズの楽しみ方のひとつ。
毎回1問のクイズを取り上げ、「いいクイズ」「面白いクイズ」の秘密をひもときます。毎週金曜日のお昼に更新予定です!
今回のクイズはこちら。
【2択】他の構造物を無視してそれぞれの直径を比較したとき、フジテレビ本社の球体展望室「はちたま」は、梅田スカイビルの空中庭園に空いた穴を通過することができる? それとも、できない?
フジテレビ本社の展望室「はちたま」は、こちら。お台場のシンボル的存在です。

大阪にある「梅田スカイビル」の穴とは、これのこと。独特の外観で知られています。

さて、フジテレビの球体は、このビルの穴を通り抜けられるのか? 答えはどちらになるか、ぜひ一度考えてみてください。
「ありえない想像」をさせられる
いまはこうして写真を並べていますが、この問題はもともとビジュアルを確認できない、読み上げ形式の早押しクイズを想定して作られたものでした。その場合、解答者はこの問題を通じてどんな体験をすることになるでしょうか。
「はちたまの外観」と「梅田スカイビルの外観」の両方を知っている人は、まずそれぞれのビジュアルを思い浮かべるはずです。そして東京と大阪、ふだんは遠く離れた位置にある2つの建造物が突如として並び立った様子を想像したり、それらを頭の中でダイナミックに動かしたりしながら、双方の直径を推測していく。おそらく、そんな思考をたどることになるでしょう。
考えてみれば、なかなか不思議な体験です。このクイズに出会っていなければ、そんな想像をする機会は一生訪れなかった、という人も多いのではないでしょうか。私もこの問題を初めて聞いたとき、急に突拍子もないことを考えさせられてワクワクしたのを覚えています。
もっとも、この2つの建物のビジュアルを瞬時に思い浮かべられるのは、関東・関西の両方に住んだことがある人や、クイズをやり込んでいる人に限られそうです。ビジュアルを知らない解答者は、巨大な球体が巨大な穴をすっと通り抜けていく様子と、穴のふちに引っかかって通れない様子を、わからないなりに想像することになります。
奇妙ながら、なかなか愉快な体験ではありそうです。
「テレビで出るクイズ」との違い
この問題を見て、バラエティ番組『Golden SixTONES(ゴールデンストーンズ)』の人気コーナー「サイズの晩餐」を思い出した方もいるかもしれません。「ギターの穴にバニラアイスの容器は入る? 入らない?」など身近なモノのサイズ感覚が問われるゲームで、正解発表のVTRには視聴者も思わずドキドキしてしまいます。
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— Golden SixTONES 【公式】 (@GoldenSixTONES) February 26, 2026
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🔍サイズの晩餐
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ただ、実物やビジュアルを見比べて考えるのと、言葉だけを頼りに頭の中で想像するのとでは、似たような切り口のクイズでも、体験としては異なるものになりそうです。
早押しクイズは、問題文を耳で聞いて考えて答える、視覚的な要素が介在しない形式。やや無茶振りではあるかもしれませんが、だからこそ自分の脳内でとんでもないことが起きているような感覚が、より強く立ち上がってくる気がしませんか?
一方「サイズの晩餐」は、ビジュアルを見られる上にシンキングタイムも早押しクイズより長いため、より具体的な想像をした上でじっくりクイズと向き合えるという面白さがあります。くつろいでテレビを眺めたい気分の人には、こちらの方が向いていそうです。
クイズの答えは……
ずいぶん引っぱってしまいましたが、気になるクイズの正解を。答えは……
「できない」でした。

梅田スカイビルの穴の直径は最も狭い部分で約30.2m、対する「はちたま」の直径は32m。その差は、わずか1.8mほど。ほんの少しだけ「はちたま」のほうが大きいために、ギリギリ通り抜けられないという結果になるようです。
「通らないのかい!」とツッコミを入れたくなるところですが、クイズとしてとてもいい塩梅になっているところ、答えがどちらだったとしても強い印象を残すところが、この問題のすごさだと思います。
(文・大塚澄佳)
今回の問題が収録されている本
『第1期QuickCharge記録集』(BOOTHで販売中)
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【画像出典(画像を一部加工しています)】
梅田スカイビル:Wikimedia Commons Inoue-hiro CC BY-SA 3.0










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