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連載「ニュース解体中」(更新:隔週月曜)

テレビやスマホに流れてくる、政治や経済のニュース。「大事そうだけど、なんか難しそう……」と思って、見過ごしたことはありませんか?

この連載では「ニュースを見るのがニガテ」な方にも向けて、いま知っておきたいニュースやその裏側を紹介。ニュースを「解体」するように、わかりやすさ・おもしろさ重視で解説します! ご意見・ご感想はXのハッシュタグ #ニュース解体中 でお寄せください。


早ければ9月17日にも行われると報道されている「内閣改造」。言葉としては聞いたことがあっても、何が重要なのか、私たちとどんな関係があるのかまでは、なかなか見えてこない部分もあるでしょう。

ニュースが大きく動く直前に、わかりやすく解説!

連載「ニュース解体中」のライター。大学院で公共政策を学ぶなど、政治・ニュースの話題を追うのが好き。
編集者。ニュースへの関心は人並みくらい。

※8月31日公開の記事「「内閣改造」って何のためにやるの?ずっと同じ人が大臣でもよくない?」を再構成し、最新情報を加えて制作しています。

「内閣改造」何のためにやるの?

今日は「内閣改造」の話をしましょう。ちょうど、ニュースを目にする機会も増えてきたので。
内閣改造、単語としては知っています。大臣が入れ替わるやつですよね?
そうそう、それです。首相はそのままに、大臣を代えるというやつです。
直近の報道だと「9月17日にも実施」と伝えられていて、これから「〇〇大臣は留任」「〇〇氏、入閣か」みたいな速報がどんどん流れてくるはずですよ。
▲第2次高市内閣。今回の内閣改造で、この顔ぶれがいくらか変わることになる
そもそもの疑問なんですが、大臣ってそんなに代える必要あります?

不祥事とかがないなら、経験のある人にずっと任せておいた方が政策もうまく進むんじゃないか、という気もしてしまいます。
そう思いますよね。
実はですね、内閣改造って「政権の寿命を延ばすための作戦」ともいえるんですよ。
作戦ですか。改造=テコ入れというイメージがあって、「攻めの一手」というイメージはあまり持ったことがないかもしれません。
あ、「テコ入れ」というのも半分は当たってるんですよ。でも本命は別にあって。
身内の「ガス抜き」なんですね
ガス抜き! というと……?
もちろん時の政権運営の状況によりますけど、首相が自分の政権を長持ちさせようと思ったとき、脅威になるのは野党だけでなく、身内もなんですね。与党の中にたまる不満
なにしろ首相は国会議員の投票で選ばれるので、党内の支持を失うと、選挙を待たずに引きずり降ろされちゃうんですよ。
いまの政権与党の中心・自民党も、党のトップである総裁が実質的にそのまま首相になる仕組みですからね。
党内の反感を買うわけにはいかないってことですね。具体的には、どんな方法で不満を解消するんですか?
党内には関係が近い人どうしのグループが生まれるわけですけど、その各グループに閣僚(大臣)のポストをバランスよく配る。あとは、ライバルを内閣に取り込むことですかね。
政権に引き入れてしまえば、首相と運命共同体です。表立って「歯向かう」のは難しくなります。
入閣待機組」といって、選挙で当選回数を重ねたのにまだ大臣になっていない人に重要な職を用意していくのも、不満をためない工夫のひとつですね。
いろいろあるんですね。交代する大臣と、そうでない大臣の違いは何なんですか?
内閣改造といっても全員が入れ替わるわけではなく、政権の「骨格」といえるポジション……官房長官・外務大臣・財務大臣・防衛大臣あたりは、同じ人が長く務めることも多いですね。麻生太郎さんなんて、財務大臣を8年以上やったり。
▲2012年、財務大臣を引き継ぐ麻生氏(左)
今回の改造でも、たとえば木原官房長官は続投が固まったと報じられていますね。
「骨格」は固めつつ、残りのポストで党内に配慮するバランス感覚が大事なんですね。
ちなみに今回の内閣改造にあたっては、自民党内で「役職希望アンケート」が配られた、なんて話もあります。
党内から意見を集めておいて、なるべく希望に沿って進めようというわけですね。

「首相を続ける」ための駆け引き

で、今回の改造にはもうひとつ裏テーマがあって。来年(2027年)、自民党の総裁選があるんです。
自民党のトップを決める選挙ですね。内閣改造とどんな関係があるんですか?
首相が総裁選での再選、つまり首相続投を目指す場合、ライバルになりそうな実力者は重要なポストにつけるのが定石なんです。
なぜなら、大臣や有力な職に就かず「野に放たれた」ライバルは……。
早くから根回しを始めて、万全の体制で総裁選に臨めますね。
そう。あとは、現職の閣僚(首相の部下だった人)が、任命してくれた首相に総裁選で対決を挑むのはご法度とされているんですよね。決まったルールというわけではないんだけど。
直属の上司にケンカを売るみたいなことですもんね。それは納得がいきます。
実は今の高市首相も、石破政権の誕生時には自民党の「総務会長」というポストを打診されたんだけど、そのときは固辞しているんです。次の総裁選に備えて「爪を研ぐ」狙いだったとみていいでしょうね。
総務会長についても今から解説します。これも大臣に誰が就くのかと同じくらい、超・超・超重要なんです

次ページ:重要キーワード「党役員人事」/内閣改造と私たちの接点は?

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この記事を書いた人

Alex

シンガポール在住。現在はシンガポール国立大学・リークアンユー公共政策大学院で公共政策を研究しつつ、(株)batonの海外業務も担当しています。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)出身。世界情勢・国際関係の面白さを伝えていきたいです。

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