こんにちは、山森です。
まずは、今着ている服を見てください。何色でしょうか。
赤? 青? それとも他の色?
あれ、なんで赤い服は赤く見えるんでしょう?
色が見える仕組み
私達が普段目にする「色」には、大きくわけて2種類あります。
それは、「光についた色」と「物についた色」です。
光についた色
例えば、テレビやパソコン。今この画面上に見えている全ての色が、「光についた色」です。
簡単に言えば、「部屋の電気を消しても見える色」になります。
これらは、発している光そのものの波長の違いによって、様々な色に見えるのです。
物についた色
一方、着ている服の色などは、それ自身が光を発しているわけではありません。
ですから、「部屋の電気を消すと見えなくなる」わけです。
これらは、電気などの光(白色光)が反射することで色づいて見えるのです。
今室内にいる方は、部屋の中に見えているもの全てが、その部屋の電気を反射させることで色づいて見えているわけです。
ではなぜ、同じ光を反射させているはずのものたちが、様々な色に見えるのでしょうか。
物についた色が見える仕組み
りんごは、そのほとんどが赤い色をしています。
りんごが赤く見えるのは、りんごの表面が、電気などの白色光の「赤以外の色を吸収する性質」があるからです。
そうして、赤い光のみが反射し、私たちの目には「赤い物体」として見えるのです。
色を識別する器官は、目の中にある錐体細胞です。人間の目は、赤・緑・青の3種類で、色を見分けています。
例えば、犬の場合は黄緑・紫の2種類しかないため、赤などは見分けられず、灰色として認識されるそうです。
クリスマスに、犬に赤いサンタさんの恰好をさせても、犬から見たらモノトーンコーデになってしまうわけですね。
吸収された光はどこへ
りんごの表面に、赤以外の光が吸収されてしまいました。
他の光はどこへ行ったのでしょう?
物体が光を吸収すると、その物体は若干温度が上がります。
光のエネルギーが温度上昇に使われるのです。
「温度が高い」ということは、その物体の「原子・分子の運動が激しい」ということです。
光のもつエネルギーが、原子・分子が運動するエネルギーに変わるわけです。
よく、「暑い日に黒い服を着ているとより暑く感じる」といいますが、これは黒い服が光を吸収し、温度が上がるためです。
実は、身近なところでは、電子レンジやオーブンでものが温まる仕組みも似たようなものです。
電子レンジはマイクロ波によって水分子を運動させて温めます。
オーブンは赤外線によって温めます。
レンジに用いられるマイクロ波は水分子のみで吸収されるため、水分子レベル(内側)から温まります。
一方、オーブンに用いられる赤外線は、ほとんどの物質で吸収されるため、表面が焼かれる形になるのです。
リモコンで操作するとき、間に障害物があると反応しないのは、障害物が赤外線を吸収してしまうからなんですね。
閑話休題、全ての物体は温度を持っています。温度のない物体というものはありません。
物体は、その温度に応じた波長の電磁波(主に赤外線)を放出しています。私たち人の身体も同じです。
テレビや科学館などで、人の体温がわかる「サーモグラフィー」というのを見たことがありますか。
これは、身体が放出している赤外線を分析することで体温を可視化しているのです。
室内で撮影したサーモグラフィーでは、壁や床、物などにも色がついて見えますよね。
全ての物体が赤外線を放出していることがわかりますね。
そもそも光とは
さて、ここからは難しいかもしれませんが、「光とは何なのか」を少しだけ説明していこうと思います。
上の説明で「光」と称してきたものは、全て「可視光」を表しています。
可視光とは、字を見たまま「視ることが可能な光」、つまり、我々が目にすることの出来る光です。
目にすることが出来ない光とは、携帯の通信に使う「電波」や、リモコンから出る「赤外線」、レントゲンを撮る「X線」など様々。
これらは、全て「電磁波」と呼ばれます。そう、「光」とは「波」なのです。
波にはそれぞれ波長という固有の値を持っています。
この値の違いによって、電波か赤外線か、可視光の中では、赤か青か、変わってくるのです。
しかし、光はただ単に波といえるものではありません。光が粒子の性質をもつと考えることもあります。
この時、これを「光子」と呼び、光のエネルギーの最小単位のかたまりとして考えられます。
これは、光に「波と粒子の二面性」があるということです。これはとても難しいので、しっかりと学びたい方は、大学で物理学を学ぶか、参考書を読んでください。
まとめ
・色が見えるしくみは「光についた色」「物についた色」の2つある
・物についた色が見えるのは「それ以外の光を吸収する」から
・吸収された光は「物体の熱に変化する」