解説
正解は「バリウム」でした。
ヒント1:花火にこの化合物を混ぜると黄緑色になる
そもそも、花火が多種多様な色で発光するのは、炎色反応という化学反応を用いているからです。
炎色反応とは、アルカリ金属・アルカリ土類金属などの元素を強く加熱すると炎がその元素特有の色になるという現象です。例えば、ナトリウムを加熱すると黄色い炎に、銅を加熱すると青い炎になります。
この反応を応用して、火薬にバリウムの化合物(塩化バリウムなど)を混ぜることで、その花火は黄緑色に光るのです。
ヒント2:ギリシャ語で「重い」を意味する言葉が由来
バリウムは、天然には主に重晶石(組成:BaSO4 、硫酸バリウム)という鉱物として産出されます。
▲写真上部が重晶石 via Wikimedia Commons Didier Descouens CC BY 4.0
この重晶石の比重はおおよそ4.5。つまり、同じ体積の水と比べて4.5倍の重さとなっており、鉱石の中でみても密度が非常に高いです。このことから、ギリシャ語で「重い」を意味する言葉“barys”に由来して“barium”と名付けられました。
ヒント3:人間ドックで飲むことが多い
人間ドックや健康診断では、食道や胃、十二指腸のレントゲン撮影を行なうバリウム検査が行われます。
この検査では発泡剤とバリウムを飲むことになりますが、そのバリウムには先ほど紹介した重晶石を粉末状にしたものが入っています。
硫酸バリウムはX線を吸収するという性質を持っており、逆にX線をあまり吸収しない炭酸ガスと合わせることで、濃淡がくっきりと表れた画像を撮影できるようになります。これにより、胃などの粘膜の状態や炎症の有無などを細かく確認できるのです。
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