こんにちは、乾です。
ふふふ、この記事を開いている読者の皆さん。「思う壺」が気になっちゃいました?
まさに、僕の思う壺ですね!!!
というわけで、今回は「気になることば」第8回です。
「『思う壺』の『壺』ってどんな壺?」というテーマでお送りします。
漫画やアニメで、頭のキレるキャラがよく「闇雲に突撃しても、敵の思う壺だぞ」みたいなことを言ってますよね。
辞書を引いてみると、「思う壺」はこんな意味です。
意図した状態。たくらんだとおり。
なるほど、意味はわかる。でも待って。
壺???
壺ってなんだ。丸っぽくて水とかを入れておくアレ?
なんでそれがこんな意味になるの? 全然わからん。
というわけで、壺が気になって漫画もおちおち読めなくなってしまった僕は、「思う壺」の語源を調べてみることにしました。
「思う壺」の語源は博打!?
博打にはさまざまな種類があります。例えば、福本伸行先生の『アカギ』を読んだことがあれば、手本引きという博打をご存知かと思います。
思う壺の語源になった博打は、丁半博打というものです。丁半博打とは、壺振り(ディーラー)が、2つのサイコロを振り、出目の合計が偶数(丁)か奇数(半)かを当てるという博打です。
「壺振り」という名前からもわかる通り、丁半博打ではサイコロを「壺」の中に入れて振り、そのあと壺を開き、出目を確かめるのです。
腕のいい壺振りは、なんと力加減の調整でサイコロの出目を操作して、丁か半かを自在に操ることができるのだそう。ここから生まれた言葉が、「思う壺」だったのです。
現在は、「相手の思う壺」のように使って、「騙された」というニュアンスが強い言葉ですよね。確かに、丁半博打に興じる人たちは、必死に丁か半かを予想するのですが、まさに壺振りの「思う壺」だったわけですね。
ちなみに笑いの「ツボ」は別のツボ
笑いのツボは「エピソードや外見などの刺激が、笑いを強く呼び起こす」いう意味ですが、こちらはまた別のツボ。
これは、鍼灸において鍼を打ったり灸をすえたりする「ツボ(=経穴)」から転じたものです。
いかがでしたか?
身近な言葉には、日本古来の文化や意外な語源が隠れていることが多いです。皆さんも、「なんだこれ?」という感覚を大事に、気になったらたくさん調べてくださいね。
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