今週の「気になることば」は望月が担当します。今回は、フランス語の中に潜む外来語についてです。
普段私たちがよく使う「キッチン」ということば。日本語に「台所」という単語があるにも関わらず、英語である「キッチン」を使うことも多いですよね。私たちは、母国語がありながら外国語を混ぜて話すことが度々あります。
QuizKnock内で「このような状況が海外でもあるのか?」という話になったので、私は周りのフランス人たちに尋ねてみることにしました。
運動靴=バスケット“baskets”?
フランス語では「運動靴」を“chaussures de sport”といいます。しかし、現代のフランス人はこの単語をあまり使いません。代わりに英語でスニーカーという意味の“baskets”を使います。それさえも最近は少し古い表現だそうで、メーカーの名前で呼ぶのが今の流行りなんだとか。
フランス語ではこういった英語からの借用語を“l'anglicisme”といい、他にも30近い英単語がフランス語の単語に代わって日常的に使われています。
例えば、私もよく使う“week-end(週末)”もそのひとつです。今のところ、母国語で「週末」という意味の“fin de semaine”を使うフランス人を一度も見たことがありません。
このような単語を使うことに対してどう思っているのか聞いたところ、「周りが使うので釣られて言ってしまうけれど、言った後で正しいフランス語を使わなかったことを後悔する」のだそうです。聞き慣れた新しい単語を使ってしまいつつも、昔からの母国語を大切にする姿勢が垣間見えますね。
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