クイズの解説
Q.1:菜の花や月は東に日は西に
夕暮れの菜の花畑の情景を写実的に描写した与謝蕪村の俳句です。与謝蕪村は菜の花を好んでいたようで、ほかにもたくさんの菜の花の俳句を残しています。
ところで、この俳句は月の形に言及していませんが、月の形が推測できるという点でもおもしろい俳句です。月が東にあって太陽が西にあるということは、地球を挟んで太陽と月がほぼ一直線に並んでいることになります。つまり、月が地球に見せている面のほぼ全体に太陽光が当たっているので、満月だとわかるのです。
Q.2:我と来て遊べや親のない雀
小さな雀への愛情を詠んだ小林一茶の俳句です。小林一茶は雀のほかにも、カエルや子どもなどを題材にとることが多かったようです。
一茶は3歳で母を亡くし、寂しい少年時代を過ごしました。この俳句はそんな子どもの頃の寂しさを思い出して詠んだと言われています。
Q.3:五月雨や大河を前に家二軒
五月雨で勢いを増し、流れが激しくなった河の様子を詠んだ与謝蕪村の俳句です。
俳句に詳しい方は、松尾芭蕉の「五月雨をあつめて早し最上川」という俳句を思い浮かべたかもしれません。実際、明治時代にはこれら2つの俳句が比較され、与謝蕪村の方が
Q.4:夕桜家ある人はとく帰る
「夕方なって帰る家のある人は帰り始めた」ということに対する、うらやましさや寂しさを詠んだ小林一茶の俳句です。
一茶は父を亡くした後、財産の相続をめぐって弟と揉めてしまいました。一茶は若い時から家族との折り合いが悪く故郷にいないことが多かったのですが、そこでまたしても江戸で暮らすことになってしまいます。この俳句には、そのような境遇で安らげる家と家族を求める一茶の心情が表れているのです。
Q.5:雪とけて村いっぱいの子どもかな
「雪がとけてたくさんの子どもたちが外に出て遊び始めた」という小林一茶の俳句です。小林一茶の故郷は現在の長野県で、雪深い土地でした。そのためか、一茶は雪の俳句もよく詠んでいたようです。
あまり有名な俳句ではありませんが、子どもという「か弱いもの」への愛情が詠まれていることに着目すれば、知らなくても解けたかもしれません。
解説を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。ぜひ、次回の「二択でGO」にも挑戦してみてください!