ものを知ったり、新たに学んだりすることを、デザインの力で楽しいものに変えてしまう作品を発表し続けている、デザイナーのみっけさん。
WebメディアQuizKnockでは「みっけのクイズパレット」と題し、デザインの裏側にある「ものの伝え方」「デザインの秘訣」などに迫る連載をお届けしています。
▲前回の記事はこちら!
今回は、デザインのスタート地点「モチーフと配色」についてのお話。新しいデザインを作るうえで、みっけさんが大切にしていることを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
文:みっけ
こんにちは。みっけです。
デザインを週に何度かSNSにアップしているのですが、そこでたまに質問をいただくことがあります。
その中で多いのが、以下の2つ。
- デザインの発想はどうやって生まれますか?
- どうやって配色を考えていますか?
今回は「デザインのモチーフと配色のマイルール」を大公開しちゃいます!!
モチーフのマイルール
その1:あるもの×あるもの=新しく見えるもの
時は西暦2024年。この長い歴史の中で数えきれないほどの創作物が生まれてきたわけで、全く新しいものを生み出すというのはなかなか難しいと思っています。本当に新しいものを作り出せたら一生の宝レベルです。
以前には、
と、ジレンマに陥りました。そこで考えたのが、
あるもの×あるもの=新しく見えるもの
という方程式です。
存在するもの同士を組み合わせて、新しいものではなく「新しく見えるもの」を作る。存在するものが溢れる今だからこそできるやり方かもしれません。
こんな感じです。
「和風×洋風」とか、「昔のもの×新しいもの」とか、なるべく遠い存在同士を組み合わせることが多いです。その方が違和感があって面白いものができる気がしています。
その2:たくさん×選ぶ=楽しい!
ひとつのテーマの中で、なるべく複数のデザインを作るようにしています。
「この中だと私はこれが好きだな」「あの人にはこれが似合うな」みたいに、好みのものを探したり大切な人のものを選ぶって楽しいじゃないですか!
一つのものを与えられるより、自分で選ぶことによってより気に入っていただけるかな? と思っています。
なので、モチーフはなるべく複数個デザインができるものを選ぶようにしています。
モチーフで心がけているのはこの2点でした。ここからは配色について!
配色のマイルール
その1:色=調味料
デザインが料理なら、配色は味付けです。
この料理は甘いのか辛いのか。「見る人にどう思ってもらいたいか」は配色にかかっていると思っています。
これは珍しさとか怪しさを表現したかったので、あまり食品っぽくない青や紫を使ってみました。
こちらは逆に美味しそうに見せたかったので、黄色っぽさを強くしてあたたかい印象にしました。
こんな感じで、デザインという大きなテーマをどう受け取ってもらいたいか、で配色を考えています。
ただ、考えすぎると「こう思ってもらうのに最適な色ってなんだ……?」と迷走しがちです。そういう時は1日置いたりして、一度印象のリセットをしています。
その2:いい感じ=いい感じ。
先ほどお伝えした通り、迷走して1日余分に時間をかけてしまうこともあります。基本的に正解がないので、終わりがないともいえます。
なので、「これいいかも!」と思えばそれでいいことにしています。
この配色は一発で決めましたね。漢字という大きなテーマなのでイメージカラーとかもないですし、与えたいのは「かわいい」とか「楽しそう」という印象だったのでそこも結構くくりが大きいです。
ということで、好きな色をぱぱっと置いてそれでOKとしました。そういうこともあります! いい感じなら、いい感じなので。
以上、配色のマイルールでした! 最後はむちゃくちゃなルールになってますが、もっと真面目な配色の考え方は第3回で深掘りしているので、こちらもぜひご覧ください!
【細かな配色の「コツ」はこちらをどうぞ】
いかがでしたでしょうか。
ざっくりですが、モチーフと配色のマイルールをお伝えしました。
どちらとも軸は「相手にどう思ってもらいたいか」です。デザインを作ることは楽しいですが、やっぱり私の作品で楽しんでくれる方がいることが何よりの喜びです。創作される方の参考になれば幸いです!
最後に1問。
筆者プロフィール
デザインが好きな会社員。
知りたいこと、楽しいことを作品にしてSNSに投稿中。
昨年(2023年)11月22日には、眺めるだけで楽しく学べる『見て楽しむ ことば図鑑』が幻冬舎より発売。