CASE2. 比較画像に注意!
こういったビフォーアフターを比較した画像もよく見ますよね。でも、こういう写真ってかなり撮るのが難しいんです。
色は周りの環境、形は角度に大いに影響を受けます。
少し前に「人によって色の見え方が変わるドレス」なんて画像が流行りましたよね。環境が変わると、同じ色でも見え方は変わるんです。
【どっち】このドレス、白金?青黒?https://t.co/NmJ3GQ3zLf
— BuzzFeed Japan (@BuzzFeedJapan) October 27, 2021
人によってドレスの色が違うことから大きな話題を呼んだザ・ドレス論争。ある調査によれば、「早起き」の人は「夜更かし」の人と比べ、白金に見える可能性が高かったそうです。
あなたは何色に見えますか? #ベッドタイムストーリー pic.twitter.com/NwmoMxCNBA
▲「青・黒」か「白・金」かで話題になりました
ビフォーアフターなどの比較画像において、デザイン目線で身を守るポイントは主に3つ。
背景
今回の画像、ビフォーの背景は白、アフターは黒です。
肌より白い背景だと、相対的に肌の色が濃く見えますよね。似た色同士だと僅かな違いが明確になります。
逆に黒だと色の差がはっきりしていてお互いの色がクリアに見えます。色が遠すぎると細かい色味のニュアンスは気になりません。
背景色が違うと色の印象は変わるんです。
また、カメラの特性として、黒背景だと白い部分が白飛び(明るい色が白1色になってしまうこと)しやすいため、明るい部分がより明るく見えることが多いです。
光源
光は色の元なので、一番大事な要素です。朝なのか昼なのか夜なのか。比較画像を撮るなら同じ時間・同じ天気が望ましいですね。
室内であっても、自然光なのか蛍光灯なのかの違いがあります。さらに、蛍光灯には電球色、温白色、白色、昼白色、昼光色の5つの色のタイプがあるそうですから、「同じ時間・同じ天気・同じ部屋」でないと、「同じ色」は表現できないといえます。
構図
ビフォーは腕が手前にあるのに対し、アフターは少し引いて手が大きく見えるように撮られています。手を大きくすることで相対的に腕を細く見せているわけです。
また、ビフォーは関節が見えず平坦な印象ですが、アフターは関節を強調するようなポーズです。骨っぽさがある方が細く見えますからね。
同じものを比較するなら構図も揃えなければ本当の違いは見えてきません!
このように、比較画像って撮るのがすごく難しいんです! 同じ条件ではなかなか撮れませんからね。
これからこういった画像を見るときは、色や形もチェックしてみてください。
ちなみにこの写真の手は私ですが、同じ日、同じ時間、同じ部屋で撮影しています。ほぼ同じ条件でもここまで変わるんですね。
いかがでしたか?
SNSなどで流れてきた投稿がどんなに興味をそそる内容でも、まずは冷静になること! むしろ興味を引くような書き方をしている方があやしいかもしれません。
いっときの勢いで信じずに、他の人の反応をチェックしたり、公式アカウント等の対応を待ったりして「自分と情報の間に他人や時間を置く」のもいいかもしれないですね。
では最後に一問!
筆者プロフィール
デザインが好きな会社員。
知りたいこと、楽しいことを作品にしてSNSに投稿中。
昨年(2023年)11月22日には、眺めるだけで楽しく学べる『見て楽しむ ことば図鑑』が幻冬舎より発売。