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▲お気に入りのクイズを確認する山上さん

作問者が表に出ない問題。具体的に伺ってもいいですか?

例としては、「ジャイアントパンダのしっぽの色は何色?」という問題。僕これ本当に天才的な問題だと思ったの。

これって、事実を聞いてるように見えるじゃん。でも、ジャイアントパンダを見たときに、しっぽの色を聞いたら良い問題になるって思った人がいたってことですよね。そんなこと、普通の人では思えない。

クイズにしたときに、作者の視点がすごい!って思うより先に、「あっどうだっけ?考えたことなかったな」って、事実の方に目がいくと思うんですね。そういう問題を作りたいと思ってます。

まず題材や事実に目がいく問題ということですね。それが自分でできたなという問題はありますか?

個人的にかなり気に入ってるのは、VS超つねきち。サムネの星月夜がお気に入りなんですけど。見たことある人が多い作品だと思うけど、意外と左右逆にされるとわかんないんだよなって。

あれって別に、出された時に「山上さんすげーな」ってまず思わないと思うんですよ。先にどっちだっけ?ってなる。

確かに問題にまず目がいって「どうだったっけ?」で頭がいっぱいになる。クイズの内容自体を楽しむことができますよね。私も好きな記事です。

自惚れたことをいうけど、クイズをやってる人全員があれを作れるわけじゃない。あれを「左右逆にして二択にしたらおもろいな」と僕が思ったから生まれた。僕の視点はあそこに入ってるんだけど、解いてくれる人は僕を前面に感じるわけじゃない

あの問題は記事として、絵画のことをわかってると解ける問題にしたりだとか、そういうこともやったので、あれはうまくまとまったなという感じはありますね。

クイズは料理に近いところがある

クイズも料理に近いところがあると思うんですよね。

『食戟のソーマ』という漫画に司瑛士という登場人物がいます。彼の料理に対するモットーは「僕の料理に自分はいらない」。素材を完璧に活かせれば、それが僕の料理だと言っていて。最高じゃんと思ったんです。

料理ですか。どんなところが似ているんでしょう?

ぶっちゃけどちらも題材選びでほぼ決まると思っていて。それをちょっと料理を頑張るとめっちゃいい問題ができると。高級食材を与えられれば、僕が適当に焼いてもうまいと思う。でもそれを3ツ星のシェフが調理したら、この世のものとは思えないおいしさになる。そういうところがクイズと似てると思いますね。

選んだ題材が1番面白いクイズになるように、でもそこに自己主張は入れすぎず……って考えながら作るところが似てるんですね。

僕はクイズを作るとき、題材から考えることが多い。僕が面白いと思った題材を、この面白さがわかる人に答えてもらえる問題を作ろうとなる。で、自分が頭の中に描いている線より上の人を、どうやってクイズで峻別できるかというのを考えるのが僕の作り方。「俺が俺が」よりかは、一歩引いた問題が好きだったりしますね。

「明日忘れてもいい問題」が好き

「俺が俺が」の問題は100点ではない

2月から良問ピックアップのコーナーが始まって、初回は山上さんの記事から選ばれていましたよね。「選択肢の芸術点が高い」などの評価が多かった。選ばれたことに関してはどうですか?

素直に嬉しいですよ。自分の問題が良いって言われるのは嬉しい。でも、選ばれちゃうなとは思った。工夫が前面に出ている。あれは「俺が俺が」の問題だと思っていて、100点ではないなと思っている。「山上やったな」感があるでしょ?

あの問題、私も投票したんです。7択であの選択肢を取り入れるなんて、山上さんさすが! と思って。

あれは悪い問題だとは思ってない。僕の好みじゃなかっただけで。あの投票形式だと、記憶に残りやすいものが選ばれやすい。僕は明日忘れてもいい問題が好き

次ページ:「明日忘れてもいい問題が好き」。その真意は……?

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この記事を書いた人

あさぬま

好きなひらがなは「ぬ」。人の話を聞くことが大好きです。自分の知識や経験をもとに、臨場感のある楽しい記事を書きたいと思っています。

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