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株式会社JERA

【2nd day】究極の「頭脳戦」

2023年4月30日。

世間はGWの始まりに心躍らせるなか、日本各地に設けられた7つの会場に、続々と参加者が集まりました。

私が取材したのは、約70人が参加した東京会場です。広々とした会場にずらりと並べられたスケッチブックが、異様な雰囲気を放ちます。

▲2nd dayはオフライン開催が実現

Final stageへ進む10人を決める2nd dayで行われるのは、「6時間耐久ボードクイズ」です。配信スタジオからQuizKnockメンバーが出題するクイズに、オンラインでつないだ各地の会場の参加者が挑戦します。

▲配信スタジオの様子

「ボードクイズ」は1st dayと同じく、参加者全員に解答権がある一方、選択肢が設けられていない問題が多く、より豊富な知識や思考力が求められます。簡単に言えば、「勘では答えにくい」問題が続きます。また、休憩をはさみつつも6時間戦い抜く体力・集中力も重要です。

加えて、2nd dayのルールとして特徴的なのが、参加者全員の正解率に応じて獲得できるポイントが変わるということ。正解者が少ない問題ほど配点が高く、正解者が多い問題で誤答・無解答の場合は減点されます。

いかに押さえておきたい知識を蓄えているか、またその一歩先の知識を得ているかが問われるルールです。

それでも勝利への道はただひとつ。出された問題を淡々と打ち返し、積み重ねてきた知識を出し切ることです。

▲この日、この場所から始まる

参加者で席が埋まっていく会場に、緊張が満ちていきます。その様子を見て、ふと、コロナ禍の終わりを感じる自分。これから対面クイズも盛んになっていくことでしょう。

参加者は大会が始まるまで、ライバルたちと談笑したり、置かれたスケッチブックをじっと見つめたり、水分補給を行ったり……。

なかには、スマートフォンを見て最後の復習を行っている子もいました。そうそう、この粘りが案外当日に活きるんですよね。私も例会(クイズ研究会などで定期的に開催されるクイズ大会)に参加するときは、最後の瞬間までお気に入りの問題集を読んでいました。

6時間耐久ボードクイズ、開幕! 波乱の第1セット

独特の緊張感のなか、会場のスクリーンに映し出されたのは伊沢拓司と須貝駿貴。ここから長い長い1日が始まります。

第1問」。伊沢の落ち着いた声が響きます。

2nd dayの口火を切ったのはこの問題でした。

ペンのこすれる音が、会場に響きます。すぐにペンを置く人がいれば、時間ギリギリまで考える人も。他の参加者の動きが伝わってくるのも、オフライン開催ならではの体験です。

正解は「once upon a time」。

会場スタッフがひとりひとりの解答を確認し、全国の解答が集約されていきます。正解率は約42%。悲喜こもごもの反応が、私の席からも見て取れました。

出題されるクイズの切り口もさまざまです。単語の暗記だけでは解けないような問題が、2nd dayにも登場しました。

正解は「TWICE」。普段からさまざまなことにアンテナを張る力、知識を結びつけて自分のものにする力が試されますね。

この問題は、約36%もの参加者が正解していました。

最初は控えめだった正解発表へのリアクションも、問題を経るにつれて大きくなっていきます。残念そうなため息、かと思えば、天井を突き破りそうなガッツポーズ。参加者の個性が現れるようになってきました。

2時間に及ぶ第1セットが終了し、昼休憩へ。一斉に緊張が和らぎ、参加者から笑顔がこぼれます。

手応えを感じる参加者がいる一方で、机に顔をうずめて動かない人もいました。食事をする間も惜しんで、自身のまとめノートに目を通す参加者も。皆、上位10人に入るべく必死なのです。

勝負の過酷さが、ダイレクトに伝わってきます。しかし、まだ2nd dayは序盤。ここから勝負が動くことだってありえます。

それぞれの思いを胸に! 参加者インタビュー

2nd dayの先に待ち受ける、たった10個の早押しボタン。その舞台に臨むためには、あと数時間続く勝負に勝たねばなりません。

参加者の皆さんはどんな思いでWHATに挑んでいるのか、休憩中に少しお時間をいただき話を聞いてみました。

クイズ研究部を代表して、1年越しの夢を!

まずは、正解したときの笑顔が印象的だった参加者に声をかけてみました。大宮開成高校3年並木七海さんです。

WHATの問題集を買って、準備してきました」と話す並木さん。

実は並木さんは、昨年もWHATに参加してくれたそうです。その際は惜しくも1st dayで敗退。現在高校3年生なので、これが最後のWHAT挑戦になります。

――WHATに参加しようと思った理由は?

「こういう高校生向けのクイズ大会をずっと待ち望んでいました。中学のときからQuizKnockを見ていて、クイズ研究部に入ったんです。今は部長で、研究部のなかではもう私しか2nd dayに残っていないので、何とかもう一歩先に進みたいです。受験期最後のいい思い出にできればと思います」

――今までの手応え、どうですか?

「ちょっとボロボロです。『TWICE』が正解の問題で『嵐』と答えてしまい……。意識してないところを聞かれることも多くて、本当に悔しいです!」

▲並木七海さん

――大会に向けて、どんな準備をしてきましたか?

「クイズ研究部で問題を読んだり、昨年2nd dayに進出した後輩に話を聞いたりしました。今年は去年と違ってリアル開催なので、環境がだいぶ違って、不安な部分もありました」

――『源氏物語』の問題の正解、すごくうれしそうでしたね。

「全然正解できていなかったので。何としても正解しないと、と思っていました」

思わず頷いてしまいました。正解を貪欲に求める姿勢に共感したからです。

私はよく知っています……たとえ全体の結果が振るわなかったとしても、1問の正解がその人の光になることを。その1問の正解が、今後のクイズ人生のどこかで、自分を支える思い出となることを。

2nd dayに進出したのは1825人中の150人。参加者のなかには、並木さんのように学校の研究部を背負って臨んでいる人も多いはず。自分しか頼れないこの場面で1つでも多くの正解を取りに行く姿勢、そして「大学に入ってからも、クイズを頑張りたい」と話す並木さんに心強さを感じました。

2回目のチャレンジ「絶対に勝つ!」

2人目は、鮮烈な少数正解を叩き出していた県立浦和高校2年福田凌太郎さんに話を聞いてみました。

▲東京会場で唯一の正解を出した問題。お見事でした!

実は彼、これまでのクイズ大会の実績から、いま注目を浴びているクイズプレイヤーのひとり。WHATは2回目の参加だそうです。

「去年は4択(1st day)で落ちました。2nd dayは初めてです。参加するにあたって、部活でクイズの問題集をひたすら読み、ボタンを押しまくって、わからないものを徹底的に復習しました」

――昨年から1つ上のステージに進めたわけですが。

昨年の決勝の動画を見て、早押ししたら勝てるなって思いました。だけど、今回も落ちるなら1st dayかな、と考えていたので、突破できたのは安堵がすごかったです」

――東京会場のなかで福田さんだけが正解した問題がありました。

「最近勉強した問題集で同じ問題が出ていて、聞いたな~と思って書けました。直前の準備が活きましたね!」

――現状の手応えは?

「取るべき問題も落としちゃったけど、勝てなくはない。このまま駆け抜けます! 絶対に優勝します!

▲福田凌太郎さん

自信にあふれた福田さんの言葉からは、これまでの努力と今大会への決意を感じました。

昼休みもそろそろ終了です。今後の戦いはどうなるのか……? 午後のセットからも目が離せません。

次ページ:ついに10人のファイナリストが決まる! 最後に笑うのは果たして?

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この記事を書いた人

中川朝子

医学部5年生の中川朝子です。普段は小説を書いたり、美術館を巡ったりしています。中日ドラゴンズの大ファン。文理の架け橋となるような面白い記事を書きたいと思っています。よろしくお願いします!

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