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この記事を読んでいる方の中にも、学生・社会人問わず、ひとりぐらしをしている人はたくさんいらっしゃると思います。そしてそんな皆さんにつきものな悩みといえば、帰省のタイミングでしょう。いつ実家に帰るかは、スケジュールとの相談になってしまいます。

ところで、男性の皆さん。あなたたちは里帰りできないことをご存じでしょうか?

何を言っているんだ、という方も多いでしょう。俺は年に一度は実家に帰っているぞ、と。

違うんです、もちろん男性でも実家に帰ることはできます。できないのは、「里帰り」だけです。

里帰りは女性限定?

「里帰り」という言葉の意味を、いま一度調べてみましょう。

『大辞林』第三版では、「婦人が結婚後、実家へ帰ること」とあります。他の辞書を引いても、概ね同じようなことが書いてあります。そう、「里帰り」という言葉は、本来ただ実家へ帰ることを意味するものではなく、新婦限定の言葉だったのです。

「帰省」と「帰郷」

では正しくは何と言えば良いのか、という疑問が生じてきます。すぐ候補に上がるのは「帰省」「帰郷」あたりでしょうか。

実はなんと、この2語も正確には意味が違うとされています。

「帰省」は古い漢詩に由来しており、意味としては「故郷に帰り父母の安否を問うこと」(『大辞林』第三版)。

ただ故郷に帰るだけの「帰郷」とはニュアンスが変わってきますね。

なんとなく使っていた人も多いであろう「里帰り」「帰省」「帰郷」はそれぞれ意味が微妙に違うことが分かりました。

しかし、「里帰り」も現在では本来の意味通りではなく、ひろく一般に「実家に帰ること」として使われているのも事実。男性が「里帰り」を使っているからといって、わざわざ揚げ足を取るのも野暮なことでしょう。

日本語は必ずしも、本来の意味だけが正しいわけではないのです。

参考文献

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この記事を書いた人

カワカミタクロウ

東大文学部卒、東大クイズ研究会OB。

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