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おばんです。はぶきです。

突然ですが、皆さんは作曲や編曲をしたことがありますか? 私はあります。どちらもとても楽しいです。今回は、「作曲」と「編曲」というお仕事のお話です。

例えば、大ヒット曲であるあいみょんの『マリーゴールド』では、作詞・作曲はあいみょん本人が行っていますが、編曲は立崎優介、田中ユウスケの二人が行っています。

実は、多くのJ-POP音楽はこのように作曲家と編曲家の二人以上によって作られています。では、作曲と編曲では一体何が違うのでしょう。皆さんは、どちらの方が難しいと思いますか?

言葉の意味を知ろう

作曲とは

音楽上の作品を創作すること。また、詩や台本などに節付けをすること。広義には、即興演奏のように、演奏が同時に作曲行為である場合、あるいは偶然性音楽のように、作品の最終的形態が演奏者にゆだねられている場合なども含まれる。 「交響曲を-する」 「ミュージカルを-する」 「 -家」

編曲とは

音楽用語。楽曲が本来作曲された形から別の演奏形態用に改編されること。大編成用のものをできるだけ原曲の形をとどめたまま小編成用に改める場合,たとえばオペラやオーケストラの総譜をピアノ・スコアに書き改める場合と,演奏効果を高めるために伴奏を付加したり,形式を変え大規模な楽曲に書き改めたり,楽器編成を変える場合がある。

一言でまとめると、作曲は音楽を作ること、編曲は既存曲の演奏形態を変えることです。このように作曲と編曲は全くの別物ですが、楽器を熟知していなければならない点など、必要な能力はとても似ています

クラシック音楽の世界では「作曲」と「編曲」は上記のように棲み分けられていますが、実はJ-POPにおける「作曲」と「編曲」は少し意味が違ってくるのです。

J-POPにおける「作曲」と「編曲」

J-POPにおける「作曲」とは、「曲のキーポイントを作ること」です。昔はこの「キーポイント」がメロディーを指していたのですが、曲の多様化とともに必ずしもメロディーとは言い切れなくなってきました。

では、「編曲」とは何を意味しているのでしょう? 答えは、「キーポイント以外の全てを作ること」です。伴奏を考えたり、リズムを考えたり、意外にも編曲作業の方が多くのスキルを求められるのです。

つまり、0から1を作るのが作曲その1を10にも100にもできるのが編曲というわけですね。

みんなで曲を作る難しさと素晴らしさ

私が大学時代に勉強していた分野は、作曲家が曲の全てを組み立てるのが一般的で、個人的には一曲を複数人で完成させることにはあまり馴染みがありません。

複数人で曲を作る場合、全員の思い浮かべる「作りたいもの」が近いことが重要になります。例えば、一口に「悲しい曲を作ろう」と言っても、一人が「好きな人に振られた悲しさ」を思い浮かべ、もう一人が「誰かに意地悪をされた悲しさ」を思い浮かべていた場合、全く違うイメージで1つの曲を作ることになってしまいます。

複数人で曲を作ることはそういった難しさもありますが、作曲家と編曲家という、2人あるいはそれ以上の人間が制作に関わることで、ひとりでは成し得なかったような、素晴らしい楽曲ができることもたくさんあるでしょう。

どんな形であれ、これからも誰かを惹きつけてやまない音楽が、この世にたくさん誕生することを願っています。いつか、私にもそんな曲が書けますように。

参考文献

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この記事を書いた人

はぶき りさ

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学別科オルガン専修を経て、同大学音楽学部器楽科オルガン専攻2年。世界で何千年も生き続けている「音楽」という文化に、少しでも興味を持ってもらえるような記事を書けたらと思います。よろしくお願いします。

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