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皆さんは「こんにちは」を「こんにちわ」と書いて、学校の先生や親に注意されたことはありませんか? 「コンニチワ」と発音するのに、「こんにちは」と書かなきゃいけないなんて、日本語の難しいところですよね。いわゆる「仮名遣い」の問題です。

さて、この「こんにちは」は何故「は」なのでしょう?

それは、「こんにちは」はもともと「今日は良いお天気ですね」などの挨拶が省略された形だから。助詞の「は」だから、「わ」で書くのは間違いなんですね。

しかし、本当に「こんにちわ」は間違いなのでしょうか? 実は、必ずしも間違いとは言えないのではないか、と思える例が日本語にはあるのです。

「は」は「わ」に変わりがち

日本語の歴史をたどると、助詞の「は」が「わ」に変わる例がいくらか見られます。たとえば、「雨は降るわ、風は吹くわ」の「わ」はもともと「は」と書かれていました。そもそも、終助詞の「わ」は、係助詞の「は」から来ているとされます。

また、「死ぬ直前」などという意味の「いまわの際」の「いまわ」も、もともとは「今は限り」から来ています。

このように、助詞の「は」が「わ」と書かれるようになる例は少なくありません。「こんにちは」も、もはや定型と化しているのですから、「こんにちわ」に変形してもおかしくなさそうです。

国が決めている

では何故、同じような例でもこのような使い分けがされているのでしょう?

その理由は、実ははっきりとは分かりません。ただし、ルールがあることは確かです。

文化庁が定めた「現代仮名遣い」では、「助詞の『は』は、『は』と書く」とされています。この例として「こんにちは」が、例外として「いまわの際」が挙げられているのです。

仮名遣いに関しては、江戸時代から研究が行われていますが、統一の過程は非常に紆余曲折を経ています。もしかすると今後、「こんにちわ」が正しいとされる時代が来るかもしれませんね。

参考文献

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この記事を書いた人

カワカミタクロウ

東大文学部卒、東大クイズ研究会OB。

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