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こんにちは。ライターのサワラです。今回は「東大生の本棚」シリーズの番外編、「京大生の本棚」を担当させていただきます。

まずはこちら!

私が所属する京都大学謎解き制作団体・ハードナッツの謎解き本が発売中です!

解きごたえのある問題ばかりですが、ヒントもあるので、初心者の方から百戦錬磨の謎クラの方まで、幅広く楽しめる一冊になっています。ステイホーム期間のお供にぜひ。

突然の宣伝、失礼いたしました。本題に戻ります。

「京大生の本棚」といっても、私が大学生になってから読んだ本はそう多くありません。小学生のころは1日に2、3冊ペースで本を読むほど読書好きでしたが、年齢が上がるにつれ本を読む機会は減ってしまいました。今の私の本棚には、法律の教科書や参考書ばかりが並んでいます。

そんな自分の記憶を掘り起こし、今回は「何度も読み返したくなる本」を3冊選びました。全て私が中高生の時に読んだ本なので、ぜひ中高生の皆さんに読んでほしいと思います。(もちろん、全ての年代の方におすすめできる本ばかりです!)

『容疑者Xの献身』東野圭吾

1冊目は東野圭吾の『容疑者Xの献身』です。

テレビドラマ『ガリレオ』シリーズの劇場版として映画化もされた作品なので、ご存知の方も多いと思います。

天才数学者でありながら不遇な日々を送る高校教師・石神は、ある日、一人娘と暮らす隣人の靖子が前夫を殺害したことを知ってしまいます。靖子に想いを寄せていた石神は、二人を救うために完全犯罪を企てますが、石神のかつての親友である物理学者・湯川学がその謎に迫ることに……。

この本を最初に読んだ時の衝撃が忘れられません。ジャンルはミステリですが、伏線や手がかりは少なく、推理をするのはかなり難しいです。むしろこの小説の本質は「純愛」であると言った方が正しいようにも思えます。(詳しくはネタバレになるので伏せますが……)こんなにも悲しく、美しい愛をミステリで知るとは思いませんでした。

もちろん、「ガリレオ」こと湯川学と、天才数学者である石神の頭脳対決も見どころです。常人には思いもよらないトリックの数々を仕掛ける石神と、それを解こうとする湯川。果たして勝つのはどちらでしょうか。

手にとったことを絶対に後悔させない。そう断言できる作品です。

『ひとりずもう』さくらももこ

2冊目は、さくらももこの『ひとりずもう』です。

私が初めて読んだエッセイがこの本です。図書室でたまたまこの本を見つけ、あの『ちびまる子ちゃん』の作者はどんな文章を書くんだろう、と興味本位で借りたのがこの本との出会いでした。あまりにも面白かったので、次の日図書館に駆け込んでさくらももこのエッセイを片っ端から借りたのを今でも覚えています。

『ひとりずもう』には、さくらももこ自身が小学生だった頃から、漫画家になるまでの出来事が、独特の言語センスで赤裸々に綴られています。書かれている内容は誰もが経験するような些細な出来事が多いのですが、それを表現する文章がとにかく面白い! 一度読み始めたらページをめくる手が止まらなくなります。

『ひとりずもう』の中には、さくらももこのセンスが光るフレーズがいくつもあるのですが、その中で私が最も好きなものを紹介します。

せめて信号機ぐらいに、彼の注意をひく存在になりたい。赤だったら彼は自転車を止めるし、青なら進む。あの彼にそんな指示を出して言う事をきかせられるなんて、信号機ってすごいなと思う。

通りすがりの他校の男子学生に一目惚れしたももこが、どうしたら彼と付き合えるかを妄想するシーンでの一言です。好きな人の注意を引きたいと思うのは当然のことですが、そこで信号機を持ち出すセンスはさすがとしか言いようがありません。

1つ1つの話が短いので、あまり読書の時間が取れない方や、読書が苦手な方にこそおすすめの一冊です。

『あさきゆめみし』大和和紀

3冊目は、大和和紀の『あさきゆめみし』です。

源氏物語は古典の中でも難しいとされていて、センター国語に出題された際には平均点が過去最低を記録したほどです。難しいゆえに読み解く面白さもありますが、中高生にとって源氏物語の原文を読むのは至難の業。でも源氏物語がどんな話なのか興味がある、そんな方におすすめなのがこちらの『あさきゆめみし』です。

源氏物語を漫画化した作品で、ところどころ独自のエピソードで補われてはいるものの、基本は原作に忠実に描かれています。光源氏にときめいたり、紫の上の一途な姿に心打たれたり、六条御息所の怨念に震えたりと、普通の少女漫画として楽しめるのがこのシリーズの魅力です。親に「勉強しなさい!」と言われた時に言い訳できるのもこの本の強みです(笑)。

個人的におすすめの章は、「末摘花すえつむはな」です。末摘花という女性は、美男美女ばかりの登場人物の中では異色の不美人なのですが、一途に光源氏を想い続けた結果、妻として迎えられることになります。一途な末摘花の姿に心打たれる、素敵なお話です。


以上、おすすめの本を3冊紹介させていただきました。この記事をきっかけに、「本を読んでみよう」と思っていただけたら幸いです。

紹介した3冊に加えて、『謎解きアカデミー』にもぜひチャレンジしてみてくださいね!

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この記事を書いた人

サワラ

京都大学法学部3年のサワラです。京都と謎解きとお笑いが好きです。よろしくお願いします。

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