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消しゴムで消しやすい色鉛筆も登場

色鉛筆が消しにくい理由は、鉛筆との材料の違いにありました。でも、できれば色鉛筆も消せるようになってほしいと思ってしまいますよね。

そんな方に朗報です。実は、最近では消しゴムで消しやすい色鉛筆も登場しています。

▲三菱鉛筆 「ユニ アーテレーズカラー」(三菱鉛筆提供)

三菱鉛筆の「ユニ アーテレーズカラー」はそのひとつ。紙を傷めずに消したり、ぼかしたりすることができる色鉛筆です。

でもこれまで聞いた話だと、色鉛筆は芯の材料の影響で消しにくいはず……。「消しやすい色鉛筆」は普通の色鉛筆と何が違うのでしょうか。

三菱鉛筆広報:消去を妨げる材料であるロウ(ワックス)を使用せず、特殊な代替材料を使用しています。

担当者の回答にある「特殊な代替材料」について尋ねてみたところ、「詳細は開示していません」とのことでした。気になる技術でしたが、このような企業独自の工夫によって、新たに便利な色鉛筆が誕生しているのですね……!

軸の形状にも違いがある

ちなみに、鉛筆と色鉛筆の違いは他にもあります。例えば「軸の形状」です。鉛筆は軸が六角形のものが多く、色鉛筆は丸形のものが多くなっています。

▲軸の形状も異なる

それはなぜなのでしょうか。まず、鉛筆の軸が六角形である理由をお聞きしました。

三菱鉛筆広報:鉛筆に六角形が多いのは転がらないため、また持ちやすいためです。鉛筆を持つ場合には必ず3点(親指、人差し指、中指)で押さえるため、3の倍数の六角形になっています。

鉛筆の軸の形には、そのような秘密があったんですね。ではなぜ色鉛筆は丸い軸なのでしょうか。このように軸の形状が異なる理由は、芯の強度の違いにありました。

三菱鉛筆広報:色鉛筆の芯は、墨芯鉛筆の芯のように焼いていないため、強度的に弱く、芯自体が太くなっています。このため軸が六角形であると、芯と軸との表面の距離に差が出て、芯を十分に保護することができないと言われていました。

▲丸軸だと芯から軸の表面の距離が一定(三菱鉛筆提供)

なるほど。芯を保護するために、色鉛筆には丸軸が用いられていたのですね。

とはいえこれは過去の話。三菱鉛筆の担当者によると、「現在は技術の進歩により、六角形の軸でも芯を十分に保護できるようになっています」とのことでした。それでも丸軸で作り続けるのは、丸軸は指あたりがよいため、絵を描く際に色々な持ち方をして使えるように、という理由からだそうです。


使っているときは同じように感じる色鉛筆と鉛筆ですが、ミクロの世界では振る舞いが大きく違いました。他の身近なものも、ミクロの視点で見ると面白い発見があるかもしれません!

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この記事を書いた人

小南

小南です。名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻所属。「楽しく読んでいたら、いつの間にか知識も身に付いていた!」と思っていただける記事を提供するべく日々奮闘中。皆さんの一時の気晴らしとなることができれば幸いです。

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