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こんにちは。ライターの吉田 葵生です。

世界の多くの動物たちは、特徴や性質によって「〜〜目」「〜〜科」などさまざまなグループに分類されています。たとえば我々ヒトは、ヒト科ヒト属に分類される生き物です。

たいていの場合、同じ科に分類される生き物たちはある程度似た性質を持っていますが、意外な生き物が同じグループに分類されていることもあります。

その例が、アルパカクジラ。一見、まったく別の生き物に見えるアルパカとクジラですが、ともに「鯨偶蹄目くじらぐうていもく」というグループに分類されています。

かつては「偶蹄目」「クジラ目」という別々のグループに分類されていましたが、近年の研究により同じ仲間とみなされるようになったのです。

一体どういうことなのでしょう?

アルパカとクジラは「先祖が同じ」

結論から言えば、アルパカとクジラが同じグループに括られているのは、どちらも「陸上の哺乳類という共通の祖先を持つからです。

生物は長い進化の歴史の中で、海中から陸上へ生活の範囲を広げていきました。

そして恐竜が絶滅した約6,500万年前、哺乳類が繁栄し始める中、海での生活に戻っていく個体が現れます。これが現在のクジラやイルカの祖先となったのです。逆に、陸に適応して残ったグループがアルパカやシカの祖先というわけですね。

クジラの祖先が海に戻った理由について、「乾燥に耐えられなかった」「動きが遅く、陸上では獲物を捕らえられなかった」など諸説あります。海に戻った個体では、前足は泳ぐのに役立つヒレに変わり、後足は退化しました。

こうして、現在のクジラやイルカのような見た目になりました。

クジラにも胃がいっぱいあります

共通の祖先を持つ証拠に、アルパカとクジラには外見からはわかりにくい意外な共通点があります。それが複数の胃を持つことです。

アルパカやシカは複数の胃を使って反芻はんすうをします。クジラやイルカも反芻こそしませんが、複数ある胃の一部を食物の貯蔵に役立てています。

反芻:一度飲み込んだ食べ物を口に吐き戻し、咀嚼そしゃくして再び飲み込む行為。

「奇蹄目」もいる

ちなみに、「偶蹄目」という名前は「偶数個の指を持つ」ことに由来します。

(鯨)偶蹄目があれば「奇蹄目」(指が奇数個)という分類もあり、ウマ科・サイ科・バク科の3科が属します。ウシ・ヒツジ・カバ・シカ・イノシシ……など、多くの仲間を含む偶蹄目に比べると小規模なグループです。

まとめ

このように、一見全く異なるように見える生き物でも、意外な関係が存在することがあります。

自然に適応していく生物のさまには、ある種の美しさを感じますね。


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この記事を書いた人

吉田 葵生

東京大学工学部3年の吉田です。兵庫県出身です。大学で精密工学について学びながら、東京大学クイズ研究会に所属し日々クイズを楽しんでいます。好きなものはゲーム・J-POP・インターネットなど。学びと楽しさを両立できる記事を目指して頑張ります。よろしくお願いします。

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